自転車がカチカチ
民話「カチカチ山」の「カチカチ」は、ウサギがタヌキを放火で殺傷せしめんと、背後で火打石を叩くときの音である。不審に思ったタヌキは、その音を「ここはカチカチ山だからカチカチと鳴っているんだよ♪」とのウサギの説明に納得してしまい、担いだ薪が燃えだしたことに気がつくのが遅れ大火傷を負ってしまった。瀕死の惨状からやっと回復したタヌキは、またもウサギに騙されて、湖に泥船で乗り出して、溺死する。
「カチカチ山」の原型は、最初から最後までウサギとタヌキのみが登場し、この陰湿にして執拗なウサギのタヌキへの苛めを描いたものであった。これは一種の不条理劇であり、ウサギがなぜそこまで残酷なことをするかについて、理由を求める読者は多かったらしく、
(1) ウサギが仲良くしていた老夫婦をタヌキがからかったから
(2) ウサギが仲良くしていた老夫婦の耕作をタヌキが邪魔していたから
(3) ウサギが仲良くしていた老夫婦のうちのおばあさんを殺したうえ料理しておじいさんに食べさせたから
などの説を前段に取り入れて、今に伝わる「カチカチ山」のいろいろなバージョンが出来上がってる。
太宰治の解釈によれば「ウサギはただタヌキが生理的に嫌いであったから、タヌキを苛めぬいた」そうだが、あんがいこのあたりが正解のような気がする。世間の数多くの「いじめ」がそうであるように。
それはともかくとして、私のロードバイクが走っているときにカチカチと異音を発しはじめた。
カチカチ山のなかを走っているわけでもないのにそういう異音がしだしたからには、なにか理由があるに違いない。民話「カチカチ山」の昔から、カチカチは不幸を呼ぶ音と決まっている。これはきちんと原因を調べる必要がある。
それで自転車をスタンドに立ててペダルを回してみたが、それだと音が出ない。力を入れて、すなわちトルクをかけてペダルを回さないとこのカチカチ音が出ないのだ。そうなると、どこから異音が出ているのか分からない。クランクなのか、ハブなのか、シートポストなのか、スポークなのか。
なんでもいいから自転車を部品レベルまでバラしてみて、一つ一つ組み立てなおせばその過程で原因が分かりそうだけど、バラすまでは自信があるが、正確な組み立てには自信が持てない。
というわけで専門店に持っていくことにする。
バイクを購入したのは宮崎市の「りんりん館」であり、本来はそちらに持っていくのがいいのであろうが、宮崎市は遠い。手軽に持っていける距離ではない。
ところで延岡にもコルナゴを扱っているサイクルショップ「田中サイクル」があり、ちょこまかしたメンテナンスは今はそこでやってもらっている。バイク乗りは近くにメンテナンスできる店がないといろいろと不便であり、そういう店が近くにあるのは幸運であった。
結局異音の原因はボトムブラケットが緩んでいたからであった。近頃バイクをずいぶんと酷使したからそのせいであろうか。
締め直しにはそれ用の工具が必要であったので、私にはどのみち修理は無理であった。
自転車は自動車と違い、いろいろと自分でいじれるところも楽しみの一つである。ロードバイクは部品が多すぎてまだ無理だろうから、いずれピストバイクでも買ってみて、自分で組んでみようかな。
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Comments
その自転車屋 知ってますよ~
私もお世話になってます。
しかし 私のはGIANTです。
Posted by: キヨシ | July 09, 2010 09:42 PM
田中サイクル、少々不便なところにはありますが、自転車の品揃えはたいしたものがあります。コルナゴもありますし。
延岡はあんがいと自転車が盛んなところと思われます。
GIANT、私も一台持っていますよ。街乗りにはこちらのほうが快適なので、よく使っています。
Posted by: 管理人 | July 10, 2010 10:07 PM