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April 08, 2010

名古屋の名物

 名古屋は日本のミステリースポットみたいなところであり、古くから栄えており、人口も多いわりには、知られていること少なき地である。東京と大阪の二大都市の間にあるために、ただの通過点になってしまいがちだという地理的条件と、元々豊かな地であったため、他の地域に自らを宣伝する必要が乏しかったからなどの理由なんだろうけど、それゆえ名古屋を語るときは、「よくは知らないのだけど、そうらしい」とかの伝説的な語り方になってしまいがちだ。

 名古屋の食文化についてもそうであり、以前にタモリが「海老フライ伝説」「マヨネーズ伝説」などを吹聴したように、本邦では名古屋では何やら独特の食文化が築かれているらしい、との伝説が広まっていた。

 名古屋の食の名物といえば、「味噌煮込みウドン」「きしめん」「味噌カツ」「天ムス」「ひつまぶし」「ういろう」などなど、ずいぶんとある。
 このなかでも特に有名なものは「味噌カツ」であり、20~30年以上も前、それこそタモリが名古屋伝説を発信していた時代、すなわち情報というものの精度が低かった時代には、名古屋以外では「味噌カツ」は広くゲテモノ料理として認識されていた。
 「味噌カツ」の字面からは、「味噌を丸めて衣をつけて揚げた、やたらに味の濃さそうな食い物」という、ゲテモノとしか言いようのない食い物しか思い浮かべることはできず、そのようなものを好物としているらしい名古屋の人について、その味覚の強靭さというか、アナーキーさに、我々は畏敬の念を覚えざるをえなかった。

 その後時代の流れとともに、情報というものの精度が増し、海老フライ伝説もマヨネーズ伝説もただの笑い話となり、味噌カツも「味噌ダレをつけた豚カツ」という、いちおう真っ当らしい料理ということが分りだした。
 私も初めて名古屋を訪れたとき、それではと、名古屋名物味噌カツというものを食べてはみた。…たしかにゲテモノではなかったが、ワラジサイズのどでかい豚カツに妙に甘ったるい味噌ダレがたっぷりとかかった味噌カツを食ったときは、このディープな料理から、結局は名古屋の人の味覚のアナーキーさに感心してしまった。


 今回、五年ぶりくらいに名古屋を訪れた。夕食はいろいろと美味そうな店に予約を入れているが、どの店も名古屋独自のものが出るというわけではない。
 せっかく名古屋に来たからには、名古屋名物のひとつくらいは食ってみようかと思う。しかしさすがに味噌カツはもう結構。味噌煮込みウドンも、似たような路線の料理の気がする。ひつまぶしは昼には重すぎる。無難なところで、きしめんを食うことにする。

【天ぷらきしめん】
Kisimen

 テルミナの「きしめんの吉田」にて、天ぷらきしめんを頼んだ。
 あんまり歯応えはないが、つるつるぬるぬるとした柔らかな食感の麺は、これはこれでいい感じ。出汁も中庸で、妙な甘さも辛さもなく、麺によく合っている。
 ほどほどに美味しい料理。
 「味噌カツ」のようにカルチャーショックを受けるような料理ではなく、名古屋初心者は、まずはこれから始めればいいのではなどと、どうでもいいことを思った。

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