桜色の京都
今年の3月は暖かく、3月中旬から桜の開花便りが届いていたから4月にはもう葉桜になっているかなと思っていたが、3月下旬に強い寒気が来たおかげで花の開花は停滞し、そして4月上旬になって花がまた開き出し、訪れたときには桜はどこでも満開、爛漫たる京都の桜を楽しむことができた。
「醍醐の花見」というくらいの花の名所。桜は美しい寺の建物に彩りを添えていて、一服の絵のごとき風景。
琵琶湖から京都に流れる小運河である疏水にはその岸部に桜がたくさん植えられており、花の時期には散った花びらが運河を流れる風情ある情景を見ることができる。
観光地図を見ると、疏水から次の目的地への南禅寺へは、疏水をいったん離れ舗装路を歩くことになっている。しかしトンネル前には小さな標識があり、「けわしいけど山道を行けば南禅寺に着く」みたいなことを書いてあった。
たしかにその道は険しそうだが先行していた観光者もどんどん山道を登っていたので、それなりにポピュラーな道なのであろう。どうせ歩くなら舗装路を歩くより、山道を歩いたほうが面白いに決まっている。私もこの山道を行くことにした。
登り始めのところは難路であったが、やがては快適な松林のなかの道となる。この道は標識によれば「京都一周トレイル」と名付けられたハイキングコースとのことだ。
京都市は山に囲まれた地だけど、今通っている道は、市内から東に見えている山を越えるルートのようである。
疏水から一つ山を越えて下りれば、日向大神宮なる神社へと出る。
ここを過ぎてしばらくすれば、また疏水に合流する。
疏水の水路をたどって行くと、やがて南禅寺の水路閣へと出て、南禅寺に到着。石川五右衛門と湯豆腐で有名な南禅寺ではあるが、それ以外にも南禅寺は周囲が桜の名所だらけということでも有名である。
ただし南禅寺そのものでは、あんまり桜は咲いていなかった。
かつては疏水を行く船の陸上輸送路であった蹴上インクライン、ここは今が桜の盛りであり、花のトンネルをつくっていた。絢爛豪華な桜の列である。
京都駅周囲では、東寺に寄ってみた。
紅の色濃き枝垂れ桜は満開であり、大きな樹が桜色の滝のごとくなっている姿が見事である。
夜桜のライトアップは京都のいろいろな所でやっているのだけど、高台寺を選んでみる。
境内庭園の枝垂れ桜には、刻々と光の量が変わってライトアップされる面白い趣向が取り入れられ、その都度姿を変える桜は趣がある。
高台寺の夜景といえば、やはり臥龍池。鏡のような水面に周りの樹々が映る姿は幻想的なまでに美しい。ただし桜の花はなく、…ここの風景は紅葉の時期のほうがより美しいであろう。
高台寺を出てすぐのところに円山公園はあり、名物の枝垂れ桜もライトアップされている。これも幻想的な美しさ。この桜には少々非現実的なところがあり、いきなり見たら桜のお化けのように思えそう。
市内に戻り高瀬川のほとりを歩いてみると、ここも桜が盛りであり、夜の明かりに映えていて、街中の夜桜もまた美しいものであった。
桜は盛りの時期が短く、うまくその時期に訪れるのは難しいのであるが、今回はドンピシャでタイミングが合い、桜色に染まったような京都を愉しむことができた。
これも3月下旬に到来した大寒波のおかげである。この大寒波には、祖母山登山のときに痛い目にあったのだが、京都では花の盛りという恩恵を与えてくれたわけで、…いろいろと面白いものである。
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Comments
天候不順のお陰?で、色んな表情の京都の桜を堪能されたのですね。
私も楽しませて頂きました。
Posted by: ちらり~ん | April 09, 2010 09:06 PM
京都はさすが国内で最も観光客の集まる観光都市だけあって、季節ごとに人を魅了する景色をうまく作っていると思います。人工美の極致、という場所もあります。
でも、宮崎のように自然の豊かなところもまた素晴らしいです。
Posted by: 管理人 | April 12, 2010 11:51 PM