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April 10, 2010

和食:八泉@名古屋市千種区

 このブログに時々コメントを寄せていただいている旅館・食事の達人あびたろうさんは名古屋在住の方で、名古屋一番のお勧めの和食店が八泉であり、今回の名古屋訪問で八泉を訪れるのを私は楽しみにしていた。
 地下鉄本山駅を降り、猫洞通という名の通りをずっと進む。化け猫か猫又などが出そうな面白い名の通りではあるが、残念ながら猫一匹とも出会わず八泉に着。

 先付けは百合根と筍の木の芽合え。木の芽の鮮やかな香り、百合根のほこほこした食感と筍のシャッキリした食感、どれもよい。最初からこの店はいいと確信できる、そういう料理。

 造りは桜鯛に雲丹。雲丹はたぶん北海道のものだろうけど、この時期の雲丹としては最良のもの。桜鯛の切りつけもたいへん美しい。

 そういう感じで美味しい料理が次々に出されてくる。そのうちのいくつかを写真で紹介。

【蓬饅頭】
1

 一目見ると、なんだか腹にたまりそうな料理だなあと思ったけど、甘さを抑え、蓬や小豆の香りや味をうまく整えながら、上品に葛餡に合わせている。全体としてのまとまりがよく、料理の奥の深さを感じる逸品。
 店主によれば、この小豆の素材そのものからして自慢の名品だそうだ。


【八寸】
2

 八寸は出来あいの酒肴ではなく、出来たての一番美味い状態で出されてくる。
 蛤のゼリー寄せ、鯛の卵子、海老のコノワタ焼き、蒸しアワビ、錦玉子などなど。
 和食の華の八寸であるが、色とりどりで見た目じつに華やか。調理、味付けもそれぞれ変化に富んでいて、味も華やかであり、食べる人すべてが幸せを感じる素晴らしいもの。

【椀物】
3

 アイナメの爽やかな味、うすい豆腐の玄妙な豆の歯触りと香り、菜の花の鮮やかな春の味。それをまとめあげる見事な澄んだ出汁。
 京料理の出汁は薄いといわれるが、良い食材、良い水を使ったら、このような出汁でないと食材の美味さ、水の美味さは真の姿を味わうことができない、それゆえこの薄さは、薄いのでなく、必然の味付けであるということがじつによく分かる。そのような、技術の粋を極めた料理。感服いたしました。

 〆は生姜御飯にて。相当酒を飲んで腹が満たされていたが、これもあまりに美味く、おかわりまでした。

 さすが、あびたろうさん推薦の店。素材の良さ、技術の高さ、紛うことなき和食の名店でした。
 季節の描出からして素晴らしく、近くにあれば毎月通いたくなる店であります。


 あびたろうさんの紹介ということで店の予約をしたのであるが、あびたろうさんが店にこのような客が来ますよと連絡をしてくれていたそうで、店はゴツい山男がやって来ることを予想していたとのこと。…でも、当方ひょろっとした一般人でありました。
 見かけはともかくとして、私は山ヤのはしくれなので、歩くのが好きであり、帰りは名古屋駅近くの宿まで歩いていく。いい気分で酔っぱらって、適当に歩くうち名古屋駅のツインタワーが見えてくる。このツインタワー、二つのタワーの形が違うので、その見え方の違いで自分がだいたいどこに居るかが分かるので大変便利だ。このタワーのおかげで地図なしに名古屋は歩けるわけで、これを設計した人は偉いなと思った。

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Comments

こんにちは!

「八泉」訪問記、楽しく読ませていただきました。
ひとつひとつの料理みな味を覚えていますが、さすが管理人さん、素晴らしい舌と素晴らしい表現力。感服の至りです。

かつて感動した「雲仙半水盧訪問の記」や「京都御三家訪問の記」を思い出しました。

「八泉」は毎月訪問する猛者も多いお店です。
私の旅館・食事の師匠も毎月訪れる常連のひとりです。
その師匠から京都での食べ歩きに是非使えと勧められたお宿があります。円山公園近くの片泊まり「井雪」というお宿です。
管理人さんのことですから既にご存知かもしれませんが・・・

ツインタワー、そのような使い道があったのですね。
「灯台下暗し」でした(笑)

Posted by: あびたろう | April 17, 2010 at 01:09 PM

八泉の料理の記事、過分なお褒めの言葉ありがとうございます。
八泉については、春夏秋冬の料理の詳細にして丁寧なあびたろうさんの記事がありますので、私が敢えて書かなくてもと思ったのですが、一応このブログは私の備忘録の役割がありますので、UPいたしました。

八泉の料理、いいですねえ。特に「懐石」の原点であるような、切りたて、焼きたて、煮立ての、調理されてすぐにfreshな形で出てくる料理に、感心しました。といって火を通すものが熱々で出てくるわけでもなく、きちんと最善の温度管理がされているのもまた見事でした。

日本という国は和食が要のわりには、いい和食を出す店が非常に乏しく、和食の良店が京都に偏在しているというのが現実なわけですが、このような「澄みきった、繊細な、高度な」和食を出してくれる店が名古屋にあるのは、地元にとってとてもありがたいことに思えます。

「井雪」は初耳ですが、京都は片泊まりの文化がありますので、一度は片泊まりをしてみたいと思っています。井雪の位置なら、近くに円山公園、高台寺、祇園と、美味しいものを出す店がいっぱいあるので、場所的にもちょうどいいですね。

旅行記に関しては、まとめておこうと思って何年か前にWebPageを作ったのですが、あと10軒以上あるところで面倒になって放置しています。カウンターみると、まったく動いておりません。(自分でさえ見ていないのです。)
いつかはなんとかしようかと思いつつ、そのままにしておりますが、ヒマな時にでも一度覗いてみていただければと。

「7月の森」
http://homepage2.nifty.com/yunohira/

Posted by: 管理人 | April 18, 2010 at 10:51 PM

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