鮨とフランス料理のコラボレーション@光洋
以前に光洋で鮨に合わせてシャンパンを飲むという会があり、あんまり感心しなかったので、こういうことは一回経験しておけばいいと思った。
しかし光洋店主は今度は鮨とフランス料理、それにワインとお茶を組み合わせたコース料理を企画すると言う。フランス料理のコースの途中に鮨が出る料理なんてのは、ほとんどゲテモノ料理の世界だなと思い、ふむふむなかなかユニークな試みですねえとか言って適当に聞き流しておいたのだが、絶対に美味しいです、お勧めですとか力説するので、話のネタにでも食ってみてみるかと、ついつい参加を表明してしまった。…結局、私は物見高い男なのである。
さて、その参加した食事の会、予想に反してたいへん素晴らしいものであった。
フランス料理はベルエポックの山本シェフ、和食と鮨は光洋兄弟、ワインは外山酒店の田中氏、お茶は白玄堂の白尾氏という、宮崎料理界のトップレベルのものであるから、素晴らしくて当然であったか。
海のパスタは、名前のとおり海を感じさせるもの。コノワタが隠し味程度に使われており、パスタを食べたときにフレーバーとして広がるコノワタ=海の香りが見事。コノワタの使い方が絶妙である。アクセントとしての青唐辛子もよく効いている。
揚げ方からして、美味さが弾けるような生命感がよろしい。
なかみは海老芋、それに鯛の白子であり、ふわふわの海老芋が白子の旨みをいったん封じ込め、それから一挙に広がる感じが見事。
山本シェフはクラシカルなフレンチを得意にしていると聞くが、今回の料理は和に寄り添って、和に調和しながら、うまく洋の世界を演出している。まさに匠の芸である。
鮨の方は、コースの流れとワインに合わせて、柑橘系やスパイスをより使った、いつもより創作系に傾いた鮨が出てきた。これも料理全体にうまく調和していたと思う。
ワイン、酒、お茶もそれぞれの料理に合わせて出てくるわけで、どれもよく調和がとれていた。
鮨、和食、洋食、ワイン、酒、お茶、全てが練りに練られた調和度と技巧度を持っていて、このコース料理は、全体として見事な一貫性を持っていたと思う。
宮崎を代表する料理人たちが、たがいに考えに考え、切磋琢磨しあい、それぞれに腕を振るった料理。このコース料理は宮崎の料理にとって、記念碑的なものであったのではないかと思った。
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