オリンピック雑感(5) 雑感あれこれ
・日本のスケート女子追い抜き競技、ドイツにわずか0.02秒遅れの銀メダルであった。個人競技が振るわなかったことから期待もしていなかった種目であったけど、じつは一番金メダルに近い競技だったんだな。
・なにかの罰ゲームとして、冬のオリンピックの競技をどれかやらねばならないといけない羽目になったとして、やりたくない競技のアンケートを取ったら、一位はスキージャンプと思っていたが、じつはスケルトンも候補として有力に思えてきた。頭から突進していくスタイルで、氷の溝を140kmを越えるスピードで爆走する競技なんて、ほとんど想像を絶する世界だ。
なお豆知識であるが、この奇抜な競技スケルトン、日本では平成6年の時点で競技者は3人しかいなかったそうであり、ゆえに「オリンピック選手になるのに最も競争率の低い競技」と評されていたそうだ。
・モーグルは以前は女子と男子の滑り方は違っていたのだけど、(女子はストックを軸に、するんするんとコブの溝を滑って行く感じ)、今度の五輪から女子も男子同様にスキー板のエッジをガンガンとコブにぶつけるスタイルになっている。
そうなると、それは筋力まかせの滑り方なのでとても男子にはかなわず、観ていてこれほど男女の体力差が如実に表れている競技もないと思った。女子の世界トップクラスでも、日本人の高校生クラスのほうがターンもスピードも上であり、これに比べると女子モーグルはなんだかアマチュアの競技に思えてしまう。
ただし、じゃあお前、女子レベルでモーグル滑れるのかと言われれば、もちろんまったく無理である。
・スケート競技は、スピードもフィギュアもショートラックもアジア人が大活躍であった。となるとスケートを履く競技って、体型的なものか、体力的なものかはしらないが、アジア人種に向いている分野なんだろうな。ただし冬の五輪は北欧人が主導して開催しているという歴史があり、このままで済ますとも思えない。北欧人有利にする、なにか変なルール変更が起きないといいのだけど。
・カーリングはオリンピックの時にしか観ない競技であるけど、観ていてじつに面白い。頭を思いっきり使うゲームであり、将棋や囲碁に近いものがある。
こういう手先の器用さと素早い状況判断が要されるゲームって、日本人にとても向いているのではないだろうか。国家レベルでまじめに選手を養成したら、日本のお家芸になれるような気がする。
・フィギア男子の織田信成という選手。競技の最中、靴紐が切れるという論外のアクシデントで順位を落とす。この選手は選手活動の盛りに飲酒運転事故を起こして謹慎生活を送るなどの過去もあり、どうも詰めが甘い。ただし彼は織田信長の子孫という触れ込みであり、それならば仕方あるまいと妙な納得もする。信長は日本史上、最も詰めの甘い男であったから。
・フィギュアのプルシェンコ、滑降のスヴィンダルなどを代表として、金確実と予想されながら金メダルを逃した選手は多く、オリンピックの時期に体力と精神力のピークをきちんと持ってくることは、たいそう難しいことが分かる。
本邦の冬季五輪の歴史をひも解くと、金確実と言われ、じっさいに金を取った団体に、リレハンメルのノルディック複合チームがいる。彼らの偉大さに改めて感服。
・閉会式、もっとも盛り上るのは、やはりライブコンサート。
ただライブパフォーマーの面々をみると、歌は上手いが知らない人ばかりであった。知っていたのはニールヤングくらい。自分の知識の乏しさはともかくとして、でもアメリカとかイギリスなら世界規模で知られているミュージシャンはいくらでも名前が出てくるのに対し、カナダはあんまりその分野の人材に乏しい気がする。カナダでは、歌に興味がない人でも知っているような、ワールドワイドな知名度を持つ歌手はたぶん一人だけだろうし。
…というか、五輪実行委員会、カナダの国民的歌手セリーヌ・ディオンをなぜ呼ばない?
・バンクーバーオリンピックは終了し、4年後の冬季五輪はロシア・ソチにて。
開会宣言は国家元首がするわけだが、さてそのときは、建前上の元首であるメドヴェージェフ大統領がするのか、あるいは実質上の元首であるプーチン首相がするのか。今のところソチ五輪に関しては、それが一番興味がある。
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