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March 27, 2010

祖母山登山(1) 尾平~尾平越~古祖母山~障子岳~祖母山~祖母山九合目小屋

 今年の3月は最初の週に大寒波がやってきたのち、温暖な気候が続き、おかげで桜はいつもより早く咲いている。市内ではもう桜は満開である。
 そして宮崎県北の山を代表する花、アケボノツツジも咲き始めたとの情報が伝わってきた。アケボノツツジは5月初めが旬の花で、3月に咲くことなどめったにない。そういう珍しいものは見ないと損と、祖母山にアケボノツツジを見に行くことにしてみる。

【尾平】
1

 本日は祖母山登山のコースを、尾平越から祖母山に至る、いわゆる半縦走のコースにとる。まずは尾平に車を止め、尾平トンネルまでは自転車で登ることにした。尾平から尾平トンネルまでは登山道もあるのだが、車道が並走しており、自転車を使ったほうが時間を節約できる。

 背後に鋸の歯のような岩峰を突き立てているのが祖母山とそれに連なる山々。赤矢印が祖母山、黄色矢印が天狗の岩。あと3時間もすればあのギザギザした稜線の上を歩いているわけだ。

【県道7号線】
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 高千穂と緒方を結ぶ県道7号線は、ず~と山の中を行くまさに山道である。
 尾平から500mほどは劇坂が続くが、それを過ぎると写真のような九十九折りの緩やかな坂となり、それほどきつい坂道ではなくなる。

【尾平トンネル】
3

 宮崎大分県境の尾平トンネルへと着。尾平の標高が600mで、ここが1000m。400mほどの標高差を40分かけて登った。歩いて登るより、少しは早く着いたか。

【尾平越】
4

 トンネルわきの登山口に自転車を止めて、登山の開始。
 200mほど登れば尾平越であり、ここから縦走路に入る。

【古祖母山】
5

 さて、縦走路の最初の山「古祖母山」山頂に着いたのだが、どうも様子がおかしい。寒いのである。3月下旬とは思えぬ相当な寒さ。とてもアケボノツツジの咲く気温と思えない。
 そして高度を増せば、寒さはどんどん厳しくなり、山頂ではこのように樹には霧氷がついてカチンカチンに凍っていた。こんな状況では、アケボノツツジがどんなに根性のある樹であっても、花を咲かせることは不可能だな。
 天気情報によれば寒波が26日から来てはいたのだが、平地があんまり寒くないのでそんなに気にはしていなかった。しかし1500mを越える高さでは、3月末にしては時期外れの大寒波といっていいくらいの寒波が襲撃しているようである。

【障子岳】
6

 アケボノツツジの花など、ツボミさえ認められないなか、縦走路を進んでいき、次の山「障子岳」山頂へと着。標高は1703m。
 この山頂には「熊の墓」が置かれている(左端に小さく写っている石の碑)。祖母山系には昔熊が生息していて、時々狩られることがあった。熊は狩られると七代祟るという言い伝えがあり、それを恐れた人々が供養のために建てたもの。この熊の墓は明治14年に建てられたという記録が残っており、条件の厳しい山頂で、風雪に耐えてよく残っているものだなと感心。

【天狗の岩】
7

 尾平から見て最も特異な形で岩を空に突き立てている「天狗の岩」に到着。岩峰部への岩場は蟻の戸渡り状になっており、注意深く進む必要がある。
 ここからの展望は高度感が抜群で、素晴らしいものである。

【黒金尾根分岐】
Kurogane

 縦走路に戻って祖母山へ向かううち黒金尾根分岐に着。ここからアケボノツツジの樹が多くなり、花の盛りにはピンクの炎が道を照らしているがごとき艶やかさなのだが、本日、花など一輪たりともありはしない。ただの枯れ木の群れだ。やれやれ。

【花の盛りの時期】
Akebono

 同じ場所での花の時期の写真を一枚紹介。
 ここまでのものはもちろん期待はしていなかったが、ツボミくらいは見たかったな。

【祖母山山頂】
8

 尾平から歩くこと5時間弱にてようやく祖母山山頂に到着。
 ここで夕焼けを楽む予定であったが、本日は気象条件が悪く、夕日は雲に包まれており、まったく夕焼けせず。これも、やれやれだな。

【祖母山九合目小屋】
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 祖母山山頂からは10分ほどの下りで、九合目小屋へと着く。
 5年ぶりくらいに訪れるが、太陽光パネルが外に並べられたりしていて、前とはちょっと違った雰囲気となっている。

 花もなければ雪もないという時期に宿泊客などいるのであろうかと思っていたが、小屋のなかからは何やら歓声が聞こえ、宴会モードのようである。この山小屋はなぜか宴会好きな人が集う傾向があり、人が泊まっていればだいたい宴会が開かれている。

 小屋番の加藤さんにお久しぶりですと挨拶をして、私も宴会に加わる。
 宿泊者は私の他は唐津から来た3人の1グループだけであり、彼らは小屋の中というのに山用ダウンパーカーを着こんでいて、ずいぶんと重装備である。縦走でもするのであろうかとたずねてみたら、今日は北谷から登ってきて明日また下るとのこと。それだとするとずいぶんオーベースペックだなあ、よほど寒さに弱い人達なのだろうか、とか私は思ったのであるが、…彼らが正しかった。翌朝私は思い知った。

…………………………
祖母山登山(2)に続く

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