« 和食:きたうら善漁。 | Main | 思い出だけではつらすぎる@中島みゆき »

March 21, 2010

黄砂に吹かれて

 とんでもない低気圧の襲来で、強雨とともに台風なみの強風が吹き荒れた一日が明けた。低気圧も去ったことだし、さあスカっとした晴天だぞ、遠出するかと玄関の扉を開けると、なんなんだ、これは。四方全部が霧に塗りこめられたように白く染まって、遠景の山はそれに隠れてしまっている。太陽は出てはいるのだが、白い点となってぼんやりと空に浮かんでいる。春霞とかの生易しいものではない。黄砂が満ちているのだ。昨日の強風は、このろくでもない黄砂を置き土産にしていったわけだ。
 しかし黄砂がやってくるとの情報は知ってはいたものの、ここまで激しい黄砂は初めて経験した。

 それにしても尋常ではない黄砂の量である。環境破壊のせいで中国内陸部の砂漠化が進み、黄砂の量が増えてきているとは聞いていたが、ついにわが身に迷惑が及ぶ事態にまでなってしまったか。

 古来には、農耕、文字、工芸技術等の恩恵を寄こしてくれたかの国であるが、近年はエチゼンクラゲや黄砂など、ろくでもないものばかり我が国に寄こしてくるなあ。わざとやってるわけじゃないだろうから、文句を言うわけにもいかんのだろうけど。


 それはさておき、このろくでもない黄砂を題材にした、「黄砂に吹かれて」という中島みゆき作詞のいい歌がある。
 黄砂は遠い異国の砂漠の産物であり、独特のエキゾチックなイメージがある。その黄砂に、果てしなきものへの憧れと、古のシルクロードの旅を思い起こせるロマンスをのせて、片思いのせつない心を「黄砂に吹かれて」と例えた秀逸な歌詞が歌われている。…黄砂も実物さえ見なければ、なかなかロマンチックなものなのだ。

 「黄砂に吹かれて」は20年以上も前に、工藤静香が歌ってヒットしたからよく知られていると思う。ただ、工藤静香は上手な歌手であり、うまく歌っていると思うけど、この時の彼女はまだ若いので当然声も若く、歌の内容が「少女の片思い」という感じがして、「黄砂に吹かれて」という深いイメージがどうにも合わないように思える。

 ここはやはり作詞した本人の、中島みゆき御大の歌で聞きたい。
 こちらを聞けば、この歌が、酸いも甘いも噛みわけた女が、恋の喜びとその諦念を抱え、静かに心の中を吹き抜ける黄砂の風を感じている、その姿を歌った大人の歌ということが分かります。
 名曲です。

【黄砂に吹かれて】

|

« 和食:きたうら善漁。 | Main | 思い出だけではつらすぎる@中島みゆき »

音楽」カテゴリの記事

時事」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 黄砂に吹かれて:

« 和食:きたうら善漁。 | Main | 思い出だけではつらすぎる@中島みゆき »