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February 28, 2010

オリンピック雑感(4) 偉大なり、プルシェンコ

 冬季オリンピックの華であるフィギュアスケートは、スポーツなのかアートなのかという議論は昔からあり、今大会でも問題になった。そして今回は4回転ジャンプを決めながら銀メダルに終わったプルシェンコが、なんだかスポーツを代表するサイドのように思われていたようだが、…とんでもない話である。

 プルシェンコこそ、スポーツとアートを最高度のレベルで融合させた不世出のスケーターである。彼は偉大なアスリートであると同時に、偉大なアーティストでもある、稀有の存在なのだ。スポーツ、アートで、ここまでの高みに達したフィギュアスケーターは、プルシェンコの前にいなかったし、プルシェンコの後にもいない。

 論より証拠。
 プルシェンコの演技はYoutube上にいくらでもころがっており、そのなかから芸術点で満点を取った伝説の演技「ニジンスキーに捧ぐ」を引用する。

 ニジンスキーに捧ぐ
http://www.youtube.com/watch?v=kkhn4KbisJc

 バレエの神ニジンスキーが氷上で舞ったなら、かくもあらんという神韻縹渺たる演技。ステップ、スパイラル、スピン、ジャンプ、全てが神業といってよい完成度を誇り、流れるような演技は悲愴なまでに崇高な美しさ。観ていて涙が出てくる。
 今にいたるまで、これを越える演技は、フィギアスケート史上存在しない。


 ついでながら以下のwebを観ると、プルシェンコが偉大なエンターティナーでもあることが分かる。

(1)http://www.youtube.com/watch?v=9jgInqv4pgE&feature=related
 プルシェンコが筋肉隆々のコスチュームをつけて、ボディビルダーの筋肉体操をしながら滑り、それからタイツを脱いで男性ストリッパーみたいな踊りをしている。十代で演じたこの爆笑必至のエキシビジョンで若き日のプルシェンコは偉大な変態スケーターと称賛された。
 …さすがに今はやってないみたいだが。

(2)http://www.youtube.com/watch?v=z8CwKGUjBwY&feature=related
 近未来的な、頭の痛くなりそうな妙ちくりんな音楽にのせて、男女早変わり用の衣装を使い、プルシェンコがプル男とプル子の一人二役で、男女の痴話げんか(?)を演じている。観ていて笑い死にそうになるくらいの快(怪)演。演技中に、観客席に乗りこんで、プル男は女性客と、プル子は男性客と抱き合ったりもして、サービス精神旺盛な人ということがわかる。

(3)http://www.youtube.com/watch?v=ghKRIvwGrrA
 金ピカの衣装でマイケルダンスを氷上で踊っている。ムーンウォークも氷の上なので速いこと速いこと。
 マイケルジャクソンよりもマイケルダンスを上手く踊れる者がこの世にいるのも驚きだが、これがエキシビジョンでなくオリンピックでも採用された正規のショートプラグラムというのがさらに驚き。


 プルシェンコは幼いときからの過酷なトレーニングの積み重ねから満身創痍の身なのであり、バンクーバーでもあちこちに故障と痛みを抱えていたのであるが、最近のジャッジのスコア目当ての演技が評価されるフィギア界に不満を感じ、プロから復活して五輪に登場した。フィギュアというものがいかにすごくて素晴らしいものであるかを、この世に示すためである。
 バンクーバーでのプルシェンコは、さすがに全盛期と比べると衰えを感じさせられはしたが、それでも十分にその卓越した実力を観客に見せつけた。

 この世にプルシェンコがいることに感謝。

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