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January 02, 2010

和食:俵屋(泉)

【泉】
Room1

 正月の俵屋旅館の二日目は部屋をかわって、「泉」の間にて。
 この部屋、とにかく広い。俵屋の部屋って、茶室を居住用に改造したようなものばかりだと勝手に思っていたけど、泉は、主間と次の間がまっすぐひと続きになって、その方向に大きな一枚ガラスで隔てられた庭があるので、全体としての空間の容量がかなり大きく感じられる。
 部屋は、柱、調度品、障子、桟、室礼、小窓、細部まで練りに練られた構想で設計されており、例のごとく完璧なのであるが、ただしそれらが設置された空間が広いので、その繊細さ緻密さが部屋一体に凝集せず、空間に漂ってしまい、なんだかしっくりこない。
 次の間も「空間の広さ」の表現としてしか存在の意味がないように思え、どうも「泉」は居て落ち着かない。まあ、次の間は寝室として使うので、じつは十二分に存在意義があり、また布団の上げ下げで主室がドタバタしなくてすむので、こういう部屋にいて落ち着かない者のほうが、どうかしているわけではあるが。

【泉:部屋と庭】
Room3

 庭は本格的な日本庭園。竹垣で隣の庭と仕切られ、苔むした土に樹々が植えられ、そこに石灯篭、柄杓に手水鉢、踏み石がバランスよく設置され、京都の宿の粋といえる美しい庭がガラスを通して広がっている。

 
 正月二日目の夕食。

【祝肴】
1

 柚子釜にはいろいろとたくさんの料理が入っていた。
 笹巻きの中には粟麩の松の実和え。ワラビ烏賊に、蓮根、人参、慈姑と、祝肴の通り、めでたい膳。

【造り】
2

 造りは平目に雲丹。
 雲丹はミョウバンなしで、板の上で形を整えている。

【椀もの】
3

 椀ものは鯛と蕪を煮込んだもの。
 上品な出汁であり、俵屋の得意とするもの。

【焼き物】
4

 真魚鰹の西京焼き。
 西京味噌はほんの香りつけ程度の漬け方であり、でもそれで真魚鰹の味がぐっと引き締まり、味も濃厚になっている。ありふれた料理ながら、ここまで美味い真魚鰹の西京焼きは初めて食べた。夕食はどれも美味かったけど、そのなかの白眉。

【お凌ぎ】
5

 俵屋の名物(と私が勝手に思っている)海老芋料理。
 これも尋常でない美味さ。海老芋って、料理のやりかたではここまで美味さが広がるのだと感心する。

【温もの】
6

 〆は正月らしく、まためでたい料理。
 伊勢海老の天麩羅に、信田巻き、菜の花を煮物にて。
 すこし控えめな華やかさが、また俵屋らしい。


 正月二日間、美味いものをいっぱい食うことができた。
 これで元気をつけて、平成22年を乗り切ってみよう。

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Comments

俵屋旅館、想像以上に素晴らしいようですね。
この真魚鰹の西京焼きは写りも良く、絶品の趣、
いいですなあ。

Posted by: itijouji1969 | January 09, 2010 at 10:54 AM

真魚鰹、素晴らしかったです。
そういえば書くの忘れましたが、真魚鰹の下にあるのは、 蒸し鮑の木の芽和えで、これも素晴らしく美味でした。
こういうのを食べると、はるばる京都の俵屋に来た甲斐があったと思います。

…とかいいながら、近年の京都の旅館は「要庵 西富屋」が料理の力をつけており、ここが一番じゃないかとの話をちらほら聞きますので、今年の春くらいに行ってみようかなあなどとも思っています。

この料理はデジカメのフラッシュの光度がちょうどよかったみたいでそれなりに撮れましたが、料理を美味そうに写真に撮るのは難しいですねえ。ストロボと三脚持っていったらもう少しましな写真が撮れるかもしれませんが、食事中それも面倒だし、だいたいが無粋な話ですし。
雑誌などに載っている、プロが撮った料理の写真を見ると、いつもすごいと思います。

Posted by: 管理人 | January 09, 2010 at 11:28 PM

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