シャンパンの会@光洋
アンリ・ジローというシャンパンの名品を鮨とともに味わうという会が光洋で催されるとのことなので、行ってみることにした。
鮨にシャンパンが合うわけもないので、その組み合わせには興味はなかったが、とりあえずは光洋ならば、美味いシャンパンが出るのは確実であろうから、シャンパン好きの私としてはそれを期待しての参加である。
さて、シャンパンについては、広島市の吉長酒店の店主が、選りすぐりのシャンパンを持ってきただけあって、どれも複雑にして奥行のあるものばかりであった。そのへんで簡単に手に入る「爽やかで飲みやすいだけのシャンパン」とは全く異なる、シャンパンに対して新たな見方が広がってくる逸品ばかりであったと思う。
ただし予想通りに、鮨にはどうかなというのが正直な感想。
私は思ったのであるが、まず鮨においてはシャリが主役なのであり、いい鮨を食べたときは必ず口の中にシャリの余韻というものが響く。シャンパンも同様に余韻というものがあるが、とくにシャンパンは良いものであればあるほど独自の深い余韻というものがあり、そして料理と酒のマリアージュというものは結局はその余韻の響きあいを楽しむものであろう。
ところが、鮨のシャリと、シャンパンの余韻は、残念ながら私には互いの余韻を消しあうような、あるいは邪魔しあうような、collaborationにほど遠い関係に思え、どうにも口の中が落ち着かなかった。
鮨をシャンパンに合わせようとするなら、今までとはまったく異なるシャリを使わねばならないのではなかろうか。例えば酢をワインビネガーにするとか、バージンオイルを隠し味に使うとか。まあ、そんなことをすればそれはもはや鮨ではなくなってしまうし、美味いはずもない失笑ものになるに違いないのだが。
そういう感想はともかくとして、シャンパンはどれも美味かったし、鮨ももちろん美味かった。
コハダの鮨は流線形の美しいもの。〆方もしっかりした〆方。
ただしこの時点でシャンパンはデザートワインとなり、いくらなんでもコハダとその組み合わせは勘弁願いたく、シャンパングラスに日本酒をこっそりついでもらったのは内緒の話だ。
会が終わったのちは、会に参加していた食通W氏一行とともに橘通りのBar麦屋へ。ここではW氏秘蔵の自慢のワインが出てくる。香りをかぐだけで名品と分かるワインを飲みながら、ツマミはいわゆる普通の洋食。
やはり美味しいワインはこのような料理とともに飲みたいものだと思いました。
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Comments
私は逆に、イタリア料理店で日本酒の会をしたことがありますが
全くダメでした。
平目の刺身に白ワインって方をお見かけしますが
私は断然日本酒派です。
Posted by: 輝ける黄昏を目指して | January 28, 2010 03:14 PM
それぞれの料理にはそれぞれにあった酒があるわけで、それに従ったほうがよいことは多いと思います。
まあ、たまには違ったこともしないと、舌が保守的になりすぎるし、また新たな食の魅力も見つけることができないわけで、むずかしいところです。
Posted by: 管理人 | January 28, 2010 08:33 PM
日本食とワインやシャンパンのマリアージュが成功するのは、「ワインを使った日本食」が客の支持を得ることができた時でしょう。
ワインを提供しながら「ワインを使った料理」
を出せないような料亭・割烹は勉強不足だと言われてもしかたがありませんね。
Posted by: あびたろう | January 28, 2010 10:14 PM
>ワインを提供しながら「ワインを使った料理」を出せないような料亭・割烹は勉強不足だと言われてもしかたがありませんね。
まったくその通りでありまして、ただ和食でそれを出すのも難しくは思います。
銀座にワインを出すことで高名な鮨店もありますが、鮨好きの者に聞いたところ、「鮨は美味いが、…」との感想でした。
ワインとはそれ自体は美味い酒であることは間違いなく、それに合う和食をワインとともにいつかは食べてみたいと思います。
Posted by: 管理人 | January 30, 2010 08:06 PM