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December 05, 2009

和食:俵屋@12月

【坪庭】
Garden

 俵屋「竹泉」の間は、庭が大きな窓枠を額縁とした絵のようなつくりとなっている。植えられているのは、盆栽のごとくに形の整った紅葉が二本。俵屋は葉の色づくのが遅いので、京都の紅葉の終わりの時期なら、ここはちょうど紅葉の盛りであろう。
 さぞかし良い庭の景色が楽しめるであろうと期待していたら、…外の紅葉はあんなに散っていたのに、ここはまだ青々としていて、ぜんぜん赤く染まっていない。
 なにごとも目論見どおりにはいくとはかぎらない。

 それはともかくとして、12月の俵屋の食事の紹介。

【先附】
1

 蕪の蒸しもの、茹で立ての蛤と温野菜の味噌和え、小茶碗蒸しは生姜を利かせて。
 どれも温かいものが出てくる。12月の寒さのなかを訪れて来た客に、まずは暖まってほしいという、茶道でいうところのおもてなし精神の料理であろう。

【向付】
2

 造りは平目にオコゼ。
 新鮮にして歯ごたえよし。甘みも十分。

【椀物】
Wan

 椀は穴子に租穀蒸し。それにシメジ、芽葱、人参、柚子を散らして。
 出汁の出来は相変らす見事なものであり、また視覚的にも美しい。
 俵屋の料理の技術の高さがよく分かります。

【焼物】
4

 焼物は旬の寒ブリに河豚。河豚は柚庵焼きで変化をつけている。
 青味大根と慈姑を添えて、色彩も鮮やか。

【温物】
5

 鍋は鴨鍋。これに焼麩と白葱と水菜がたっぷり入っている。
 汁には鴨の豊かな味が広がっていて美味。すべて飲み干してしまう。

 料理はいつも通りの俵屋流の京料理。
 驚きや斬新さは感じることはないけど、安心できる、落ち着いた、丁寧につくられた、和食の粋のような料理。京都、俵屋では、やはりこういう料理でなくてはと思う。


【朝食】
6

 朝食の和食の焼き魚はいろいろと選べられるのだけど、今回は甘鯛の若狭焼きを注文。
 …甘鯛の質も、また焼き方もたいへん良いのだけど、朝から食べるとすると、ちょっとヘビーか。どちらかというと夜に酒の肴にすべき料理だったな。
 とか言いながら、結局これを肴に朝から酒を飲んでしまったわけだが。

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