和食:俵屋@12月
俵屋「竹泉」の間は、庭が大きな窓枠を額縁とした絵のようなつくりとなっている。植えられているのは、盆栽のごとくに形の整った紅葉が二本。俵屋は葉の色づくのが遅いので、京都の紅葉の終わりの時期なら、ここはちょうど紅葉の盛りであろう。
さぞかし良い庭の景色が楽しめるであろうと期待していたら、…外の紅葉はあんなに散っていたのに、ここはまだ青々としていて、ぜんぜん赤く染まっていない。
なにごとも目論見どおりにはいくとはかぎらない。
それはともかくとして、12月の俵屋の食事の紹介。
蕪の蒸しもの、茹で立ての蛤と温野菜の味噌和え、小茶碗蒸しは生姜を利かせて。
どれも温かいものが出てくる。12月の寒さのなかを訪れて来た客に、まずは暖まってほしいという、茶道でいうところのおもてなし精神の料理であろう。
造りは平目にオコゼ。
新鮮にして歯ごたえよし。甘みも十分。
椀は穴子に租穀蒸し。それにシメジ、芽葱、人参、柚子を散らして。
出汁の出来は相変らす見事なものであり、また視覚的にも美しい。
俵屋の料理の技術の高さがよく分かります。
焼物は旬の寒ブリに河豚。河豚は柚庵焼きで変化をつけている。
青味大根と慈姑を添えて、色彩も鮮やか。
鍋は鴨鍋。これに焼麩と白葱と水菜がたっぷり入っている。
汁には鴨の豊かな味が広がっていて美味。すべて飲み干してしまう。
料理はいつも通りの俵屋流の京料理。
驚きや斬新さは感じることはないけど、安心できる、落ち着いた、丁寧につくられた、和食の粋のような料理。京都、俵屋では、やはりこういう料理でなくてはと思う。
朝食の和食の焼き魚はいろいろと選べられるのだけど、今回は甘鯛の若狭焼きを注文。
…甘鯛の質も、また焼き方もたいへん良いのだけど、朝から食べるとすると、ちょっとヘビーか。どちらかというと夜に酒の肴にすべき料理だったな。
とか言いながら、結局これを肴に朝から酒を飲んでしまったわけだが。
「旅館」カテゴリの記事
- 湯田中渋湯温泉郷@長野(2019.07.13)
- 大丸別荘@二日市温泉(2019.06.16)
- 壁湯洞窟温泉 福元屋@九重九湯(2019.06.01)
- 旅館:水神之森@長湯温泉(2019.05.25)
- 美女塚山荘@豆酘(2019.05.04)
「和食」カテゴリの記事
- 大丸別荘@二日市温泉(2019.06.16)
- 多摩川ランニング & てんぷら近藤@銀座(2019.06.08)
- 徳山鮓@滋賀県余呉(2019.05.11)
- 串揚げ 六覺燈@大阪市(2019.04.20)
- 春の国東半島(2019.03.11)
The comments to this entry are closed.
Comments