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December 04, 2009

寿司:12月の安春計

 12月の安春計に行ってきた。

【店内】
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 前まではカウンターの端に置いてあった、ロイヤルコペンハーゲンの陶土で焼いた壺が正面に位置が変更。侘助が生けられ、凛とした白い花が、艶々といた深青の陶器の色によくあっている。店主はちかごろ花の生け方に凝りだしたみたいで、このうまく決まった図を自慢していた。

【造り】
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 造り3点。いつもの中トロに、旬の素材はほどよく熟成したアラに、脂のよく乗ったスマガツオ。スマガツオは尋常でなく脂の乗ったものが出てきて、それが炙ることによって香りも旨みもより高まっている。この時期の安春計の自慢の定番品。

【カマスの一夜干し】
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 秋に比べ、さらに脂が乗ってきたカマスの一夜干しを炙りで。
 一夜干しにすることによって旨みが凝集されたカマスは、口に入れると、ほくほくした食感とともに、旨さが広がってくる。

【アンコウの肝】
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 冬の時期の安春計のアンコウの肝はまさに絶品である。アンコウの肝の旨さが、なんの雑味もなく、純粋に旨みだけで構成される、肝のなかの肝とでもいうべき肝。
 …読んでてなんのことやら分からないであろうけど、食べてみれば瞬時に私の言おうとすることは理解できると思う。
 このような絶品のアン肝をなぜ安春計が出せるかというと、店主が築地の業者に、「九州でも美味いアンコウの肝はないといけない。少々値は張っても、需要は必ずある。おれのところでその半分は必ず仕入れるから九州に卸してくれ」と言い、それに乗った業者が安定的に供給しているそうだ。ただし、店主が半分買っても、残りが売れ残っていることがままあり、忸怩たるものを感じざるをえないこともあるとのこと。
 アン肝に和えているのはポン酢であり、このポン酢もまた素晴らしいです。

【蕪のスッポン椀】
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 2年ほど前から定番メニューになった、スッポン椀。
 店主は以前有名なラーメン屋の一風堂からの依頼で「究極のラーメン」をつくったとき、そのラーメンのスープの出汁をスッポンでとったそうで、スッポンを使う料理には自信があるみたい。
 スッポンを日本酒だけで煮あげて出汁をとったスッポン椀は、清澄にして豊潤な味。これほどまでに完成度の高い椀物は、九州ではなかなかお目にかかれない。
 和料理出身の店主の面目躍如たる逸品である。

【握り マグロ】
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 握りは、白身、コハダ、マグロ、イカ、ウニ、海老、穴子等々。どれも美味。
 マグロは松前で獲れたもの。マグロの味が濃厚で、特にヅケにしたものがより旨さが強調されている。

 安春計のシャリは季節ごとに魚に合わせて、酢や塩の利かせかたを変化させている。
 魚の旨みが強くなってきた今の時期は、塩は抑えめにして、旨味を強めにしたシャリを使っている。そのため、夏の頃のシャープな鮨とは異なり、旨みが広がっていく、柔らかい感じの鮨であり、この鮨を食うと、「ああ、そろそろ冬だなあ」とも思う。
 季節を感じることは、鮨屋の鮨を食うことでもある、ということがよく分かる。

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