« @niftyの馬鹿 | Main | 20km走ってみる »

November 27, 2009

必殺仕分け人

Dio

 名作「JoJoの奇妙な冒険」に登場するラスボス的存在ディオは最強のスタンド(超能力みたいなもの)を持ち、あらゆる敵の攻撃を「無駄無駄無駄…」と罵り、嵐のようなパンチをみまって敵を退ける。

 この一週間、ニュースでよく流れていた政府の予算仕分け作業。
 各省庁の要求する概算要求に対して、経費削減を至上命題とする仕分け人たちは、役人がなにを言おうが、そんな事業は無駄だと言い放ち、その要求をバッタバッタと切り捨てていく。
 この姿、あの悪の権化にして、華麗なる悪の華であるディオ様のスタンド攻撃によく似ているなあ~とか思い、政府仕分け作業を取り上げたwebページにて、この有名なるディオの「無駄無駄無駄」攻撃を引用した記事があるだろうなあと思っていたが、今のところ見つからない。
 しょうがないので、私がとりあえずUPしておこう。なにがしょうがないのかよく分からんが。

 さて今回の仕分け作業、ネットで中継され、TVでもよく取り上げられたことから、ずいぶんと世間の注目を浴びた。
 日本が未曽有の不況に陥り、税収が激減するなか、なんとか本当に必要な事業にのみ予算を回せねば日本経済は破綻するという危機的状況で、省庁の要求する予算を削減せねばならないという、強い意志をもった「仕分け人集団」の体育館のなかでの、削減攻撃はたしかに見ものであった。特に蓮舫女史はテレビ映えする人物だったので、その舌鋒鋭い追及は、妙な説得力をもって迫るものがあった。

 迫るものはあったし、たしかに世のなかが変わるときにはこのような乱暴な手法も必要ではあろうかと思ったが、…この政治家と民間人と役人がチームを組んだ「仕分け人」チーム、国家の重要な予算作成に、決定的関与をもてるほどの能力のある集団だったんでしょうかね?

 私が興味をもってみていた仕分けは科研費分野だが、私が教育機関やそれに準じるところに勤めていたところ、我が国の研究費ってほんとうに少ないんだなあと思うこと多かった。元からある研究費ではとてもまともな研究はできないので、秋の時期になると、研究チームのチーフたちは懸命に科研費獲得のための書類を作成し、なんとかGETした科研費で研究を続けていった。日本の教育・研究機関はどこも貧乏であり、研究を続けるためには、科研費GETは必須であり、よい研究者とは研究のデザインを描けることのみならず、研費をGETする能力がある人のことをいっていた。
 その科研費が今度の仕分けで、成果のすぐに出ないような研究など無駄だと断じられて、ばったばったと切られ、どこもかしこもパニック状態になりつつある。

 いや、べつに日本は貧乏国になったから、研究なんかに金は出せないという政府の方針がちゃんとあるならそれはそれでいいですよ。そういうことなら、科研費もらうような研究チームのチーフって、だいたい留学経験ある人ばっかりだから、その人たちは海外に戻って、そこで立派な研究を続けるでしょうから世界全体としては損はない。
 ただ、民主党は技術立国日本の発展みたいなことを言っていたし、一般的な認識として、日本の未来って科学技術を高めていくしか生き残る方法はないでしょうに。
 科研費減らして、日本の技術の発展をあきらめ、ゆるやかに日本を衰退させていくという政府の方針があれば、それはそれでひとつの考えで、間違っているとは断言できない。ただし、そういう方針があるなら、それはきちんと政府が政策で決定し、仕分け人も、「そういう決定があるから削るんです」と説明するべきであろう。

 仕分け人は経験知識ともけっこうレベルの高い人たちが集まっているとの話だが、その仕分けはどうも筋が通っていないものを感じる。これは、政府がきちんとした司令塔の役割を果たしていないからではないのだろうか。

 予算削れば、族議員が血相を変えて怒鳴り込んできてそれを阻止する、自民党時代の悪しき慣例がなくなったのはいいことと思うけど、族議員のかわりに、「この国をどうするのか」という方針ももたぬ(ように見える)仕分け人たちが跋扈して予算をいじりたおす、それは国家にとってよくないことに思える。

 とりあえず、このままじゃ日本はえらいことになりますな。
 総選挙のあとから私はそう思っているけど、それがますます確信になりつつある。

|

« @niftyの馬鹿 | Main | 20km走ってみる »

雑感」カテゴリの記事

時事」カテゴリの記事

Comments

こんばんは!

お久し振りです。
科研費、懐かしいですね。私も獲得に奔走していた時代がありました。随分昔のことですが・・・

>その仕分けはどうも筋が通っていないものを感じる。

それは仕分け作業が 「財務省が書いた台本を,仕分け人が演じている」 にすぎからではありませんか?
私は、単なるショーであったと思っています。
しかし多くの国民にとって面白いショーだったでしょうね。
違法献金や脱税、麻生以上のブレの目立つ鳩山首相。仕分け作業様々だったことでしょう。

財務省は事の是非よりも、まず「予算削減ありき」ですから、当事者の気持ちなどまったく無視です。
小泉改革で、無駄といわれた事例がどんどん切られていきました。そして切られた側は多くの血を流しました。
今、民主党は対象が変わっただけでまったく同じ事をしています。切られた側の怨念が積み重なっていくっことでしょう。

国の将来よりも選挙に勝つことしか頭に無い絶対君主が統治する民主党、本当にこのままでは日本はえらいことになりそうです。

Posted by: あびたろう | November 30, 2009 10:37 PM

おひさしぶりです。
科研費、私もかかわったのは10年くらい前なので、じつは同様に懐かしいです。
そのときの思い出ですが、当時の上司が科研費獲得のために深夜に問い合わせのmailを厚生省にすると、すぐに返事が返ってきてました。それをみて私は、「世間では役人は働かないと言われているけど、少なくとも中央の役人は深夜まで懸命に働いているんだな」と、役人に対する感覚が変わったことを覚えています。

さて、今回の仕分けについて思ったことなんですけど、ようするに日本の政府にはお金が乏しいわけで、そうなると、将来の日本のためには、削るところは削り、増やすところは増やすという英断が必要になるわけです。
その英断ができる司令塔がないのが、今の日本の不幸です。

「選挙に勝つことしか頭にない絶対君主が統治する民主党」というのはまったくその通りでして、小沢氏というのがいかに日本に災厄しかもたらさない存在であることかは、この20年間誰もが知っていることであり、その制御の手法が今までの政治混乱劇だったわけですが、結局制御できなかったというのが、小沢氏の凄さであり、その他の政治家たちの情けなさでもあります。

100年たって日本の政治史が書かれるならば、それは悲劇でなく、コメディになるのは間違いなく、それを読むとげらげら笑えて楽しいのでしょうけど、残念ながら我々はそれを読んで笑える立場でなく、笑いものにされる当事者であるので、それが悔しいです。

(追伸)
今週末は京都に紅葉見物に行く計画を立てています。
定番の俵屋に宿泊しますので、レポートをUPする予定です。

Posted by: 管理人 | December 02, 2009 12:33 AM

今週末の京都は「散り紅葉」でしょうね。
私は最近、燃えるような紅葉よりも、苔の庭にモミジの絨毯ができるような時期の方が好きになりました。
来年の京都の紅葉、この時期にしようかな。

私の俵屋訪問は3月です。
管理人さんが俵屋も大変だと書いておられたので、客が少ないであろう3月に訪れることにしました(笑)

Posted by: あびたろう | December 02, 2009 11:24 PM

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 必殺仕分け人:

« @niftyの馬鹿 | Main | 20km走ってみる »