« 登山:晩秋の九重黒岳(男池~ソババッケ~黒岳) | Main | Bar:Tan’s Bar@無量塔 »

November 14, 2009

和食:無量塔の冬 

 黒岳から下山したあとは、毎度のごとく日が暮れたのちに湯布院に入り、「無量塔」へと到着。ひとっ風呂浴びて汗を流し、ついでにビールを飲んで水分を補給したのち、食事処「紫扉洞」で夕食をとる。

【先附】
1

【先付をほぐして分かりやすくした図】
2

 ちかごろ凝ったものが出てくる傾向にある、無量塔の「先付」。
 今回は地鶏の八幡焼きに、焼きリンゴと焼きネギを添え、白髪ネギを散らしたもの。
 シャキっとした牛蒡にコリコリした地鶏を巻き、それにネギ、リンゴと似たようにシャキシャキした食感の素材ばかりを組み合わせ、全体としてやたらに音楽的というかスジ張った料理となっている。
 これは妙な食感をまずは楽しむ料理なんだろうなあ。

【椀】
3

 白身魚を蕪ではさんだものを何度も蒸して、ふんわりと柔らかにし、それにメレンゲと山芋を擦ったものをあわせたものを載せて。人参の紅葉、銀杏、柚子、菊などを散らされ、椀のなかに、晩秋から冬への移ろいが表現されているようだ。
 先のコリコリシャキシャキした料理から、今度は一転して、とろけそうに柔らかい食感が楽しめる。

【八寸】
4

 緑々とした檜の枝の束に載せて八寸が出てくる。一瞬、鏡餅の登場かと思ってしまった。
 八寸はずいぶんとにぎやかなものになっている。いつもの定番品は関鯖くらいのもので、あとは鯛の炙り、牛蒡揚げ、卵豆腐、辛子蓮根、餅銀杏、根菜等々。色とりどりで、形もそれぞれユニークであり、目で楽しみ、香りで楽しみ、そして当然舌で楽しむ、なんとも愉しい料理。

【鍋】
5

【鍋の具】
55

 煮物は、九州では珍しいアコウの鍋。アコウに九条ネギという関西風の食材の組み合わせであるが、味付けは無量塔独特の強めの田舎風。茸や大蒜もいい出汁をだしており、にぎやかな味である。淡泊なアコウは、この豊かな出汁に案外あっており、汁の味の良さがよく伝わってくる。

【揚げもの】
6

 揚げものは、河豚の竜田揚げ。冬を迎える時期はまずは河豚からというわけか。
 これは、まあ普通においしい。

【焼き物】
7

 〆の豊後牛は、豊後牛のローストビーフではなく、焼きたてで出てくる。
 紫扉洞のなか、すぐそばでジュージューと音を立てながら焼いていたわけで、まさに焼きたて。無量塔の豊後牛は無理にローストビーフにしなくとも、単純に焼くのが一番おいしいのではないだろうか。かみしめると、旨い肉汁が豊かにあふれてきます。


 先付、椀、八寸、煮物、焼き物、全コースに渡り、いずれも相当に手の入った、凝ったユニークな料理が供される。
 以前の無量塔は、剛直な高級田舎料理一本でぐいぐいと攻めてきたのだが、今は無量塔風会席としかいいようのない、華やぎと面白みのある料理となっている。料理長の懐の深さと、探求心のたまものなのだろうけど、このように季節ごとに、仕掛けの変わってくる、おいしい料理を味わえる旅館があることは、まことにありがたいことである。

|

« 登山:晩秋の九重黒岳(男池~ソババッケ~黒岳) | Main | Bar:Tan’s Bar@無量塔 »

和食」カテゴリの記事

旅館」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/88430/46811282

Listed below are links to weblogs that reference 和食:無量塔の冬 :

« 登山:晩秋の九重黒岳(男池~ソババッケ~黒岳) | Main | Bar:Tan’s Bar@無量塔 »