読書:オイアウエ漂流記 荻原浩 著
この小説、2年ほど前に週刊新潮に連載されており毎週楽しみにしていたのだけど、話がそろそろ佳境に入ってあたりで唐突に終了となり、ひょっとして打ち切り?とか思っていたが、その週刊誌の発行元の新潮社にて大幅に改稿加筆を行っての発刊である。打ち切りじゃなかったみたい。
ポリネシア諸島に観光地開発の下見に行ったリゾート開発会社の社員一行4名、スポンサー企業の御曹司1名、新婚旅行中の夫婦2名、あやしい外人1名、戦没者祈祷の旅の祖父・孫の2名の計10名が、悪天候による小型飛行機の墜落で小さな無人島に漂着する。外界との連絡手段もなく、救助の手はいつまでたっても差し伸べられず、彼らは孤島でサバイバル生活を送らざるを得なくなる。
幸いなことに南の島なので、生きるのに必要なものは努力をすればなんとか得られる。どころか海や山に入れば、美味そうなものが次々に見つかり、ココナッツ、ミニリンゴ、マンゴー、キノコ、ヤシガニ、オオコウモリ、熱帯魚、貝、等々。
とはいえ、それらを得て生活していくにはそれなりに技がいるのであり、遭難した者のなかに、木登りの達人、ココナッツ割の達人、火を起こす達人、など意外な能力を持つものがいることが判明し、かれらの力によりサバイバル生活は円滑にまわっていく。
無人島での生活は、以前の文明社会での人間関係が成り立たなくなり、島に適した実力によって人間関係が再構築されそうなもので、当然そういう諍いが少々生じるが、しかし元の人間関係がなんとはなしに継続されていくのが、日本人社会のゆるいところか。
捜索もまともにはされていないようで、孤立したサバイバル生活は半年以上続く。人々もその生活に慣れてきたころ、唐突に救出劇が始まり、あっという間に小説は幕となる。
なんだか中途半端な終わり方で、これでは週刊誌に連載していたときと同様、欲求不満の残る終わり方だな。
まあ、ヴォリュームが大幅に増えたぶんだけ、読み応えはUPしていたけど。
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オイアウエ漂流記
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