和食:食事会@喜泉
秋になり和食がぐんぐん美味くなる時期だ。
ならば、和食を食わねばならない。
宮崎市の和食の名店「喜泉」で、食事会を行うことにする。
メンバーは私に加え、「光洋」のキミヤ3兄弟に、宮崎市最強の食通W氏という、かなり濃い面々でのカウンター貸し切り。店主、同業者+食通W氏という面子を前にして、少々やりにくかったかもしれないが、料理のパフォーマンスは相変わらず素晴らしいものであった。
福岡専門と思っていたアラも近頃は、南九州でも出てくるようになったのは時代の流れか。
喜泉の造りはいつ見ても、エッジの立ち方の鋭さと、切りつけの面のつややかさが見事。この包丁さばきを店主がいかにして得たかといえば、料亭等での修行に加え、福岡柳橋市場の魚卸店に勤めていたことがあり、そこで大量の魚を捌くことによって技術を習得したとのこと。なるほど、技術の向上には、やはり量は必要ですな。
このノドグロは素材がたいへんよかった。脂の乗りがすごく、ちょっと前に夢膳で食べたものより上質のもの。
しかし、こういう上質の高級魚ノドグロを西京焼きにするとは、バチあたりというか、もったいないというか、なんとも強引な料理。
西京焼きは、魚を西京漬けにすることによって、魚の旨さを凝縮するところがポイントなのだろうけど、これだけ脂の乗ったノドグロだと、その旨さは凝集されることなどなく、西京味噌の味から飛び出そうとばかり、その旨さを主張する。ノドグロの美味い味と、そして西京味噌の味が、マリアージュなどせずに、互いにギシギシと競いあう、不思議な食味の料理。
良いノドグロをただ塩焼きにするのは寿司屋の肴、和料理ではこのように調理するのです、といった店主の気迫と気合を感じさせる料理であった。
関西ではよくみかけるけど、九州ではあんまりみかけない蕪の料理。
蕪の擦り方がとても丁寧で、蕪の持つ甘みと旨みが最大限表現されている。湯葉と出汁もまた蕪の美味さをよく支えている。
和の技術の冴えを堪能する料理。
この穴子がまた絶品。じっくり煮られた柔らかな穴子は、ほんのりした上品な甘さで味が整えられ、鮨屋の穴子とはまたことなる穴子の魅力がよく出ている。海老芋煮もその淡い甘さによくあっている。
〆はマツタケ御飯にて。
全コース、間然するところなく、和食の凄さと愉しさを伝えてくれる。
あらためて、宮崎市の貴重な和食店であることを認識いたしました。
今回は、仕入と仕込の専門職が同席であったため、専門家からの素材・調理の評価、感想を現在進行形で聞くことが出来、「ただ美味いものが食うことが好きな素人」の私としてはたいへんためになることが多き食事会であった。
また今後もこのような会を開こうという話となり、つぎはW氏お勧めの「妙見石原荘」か、あるいは「美山荘」(ミシュラン星獲得おめでとうございます)で、と。美山荘はちと遠すぎるような気はするが、すでにW氏+キミヤ家は一度美山荘で食事会を開催しているそうで、…すごい人たちである。
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