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September 01, 2009

衆院選で民主党が大勝したわけだが。

 8月30日の衆院選はマスコミの予想通りに民主党が大勝を収め、政権交代が現実のものとなった。
 政権交代を可能にすることが小選挙区制度導入の目的であったわけだから、選挙制度改革は成功したといえる。とはいえ、政権交代が可能になるのは、あくまでも政治運営能力を持つ政党が存在するというのが前提で、いくらなんでも今の民主党にその力があるとは思えず、そうなると小選挙区制のまずい面がもろに出てしまったわけで、これは大変なことになりそうだ。

 民主党を私がすごく気にいらないのは、「子ども手当」「農業個別保障」「高速道路無料化」「後期高齢者医療制度廃止」等、最初には心地よく聞こえるけど、いざ実行するとあとでろくでもない目にあうに決まっているマニュフェストを堂々と提示したところである。こんなものを国民が有難がると本気で思っているところが、時代錯誤というか、無思慮というか、無知蒙昧の極みというか、…要は国民をなめているのである。それこそ、中国の故事の朝三暮四に出てくるエテ公程度に、国民を思っているのでしょう。

 政権交代は実現してしまったから、無経験の民主党を国民が我慢して育てればいいという意見もあると思うが、それは絶対に無理なのである。
 これは断言できる。

 政党政治には機能する政党が必要だ。そして機能する政党の存在には、政党どうしが互いより高い能力をつけるために自ら切磋琢磨し、そして国民が支持政党を応援するという態勢が必要になる。しかし日本においては政党の能力を高める機能はなかった。政党は自らを高める努力よりも、他党の足の引っ張ることに努力の全てをささげ、そしてその足の引っ張り合いに、国民全体が賛同し加勢してしまっていた。
 政党政治は大正時代から日本で行われているのだが、野党は政策を担当している与党を、政策論とかではなく、国益を無視したつまらない周辺のスキャンダルみたいなもので攻撃する。これに国民・マスコミ、さらには検察までが加わり、政権が瓦解し、事態は悪化の一方となる。そういうことをえんえんと繰り返してきた。政党政治が成り立って以来、日本の政治はずっとこのパターンであり、おそらく政党政治は日本で実行するには、なにか決定的に無理のある制度なのである。
 80年間こんなことをやっていた日本の政治風土で、今回の民主党ばかりがそれを逃れることはありえない。
 民主党政権も、結局はつまらぬスキャンダルで崩壊するであろう。

 ついでにいえば鳩山総裁の祖父、鳩山一郎氏も政友会にいたときに、与党の立憲民政党の浜口雄幸が軍事費を減らしたこと(これは国民的に不人気な政策であったが、国益のためには正しかった)を、党利のために攻撃し、そのせいで軍隊が野党の口車に乗って統帥権を主張するにいたり、軍部の暴走を招いている。たかが野党の党利党略が、大戦の原因の一つとなり、国を滅ぼしてしまったわけだ。鳩山一郎氏はこの責をとらされ、戦後は米国により公職追放の憂き目にあったが、私などからすればこういう人こそ戦犯として裁いてほしかったわい。

 話は戻るが、日本の政党政治が足の引っ張り合いに徹する以上、自民党もまた自ら非難していた民主党以下の抵抗野党に成り下がり、ひたすら反対、なんでも反対、スキャンダル指摘放題の国会運営をするのは火をみるよりも明らかである。よせ集めの民主党がそれに耐える力があるとも思えず、民主も自民も四散していって、政治はまったく運営できなくなっていくであろう。四年間の政治が機能しない時代を我々は迎えたわけだ。
 日本はそんなことやってる場合じゃないんだけどね。

 組閣もしていないのに何を悲観的な意見をとも思われようが、細川内閣以来の政治のドタバタ劇をじっさいにみてきて、また歴史書で日本の政治を学んできた私の、当たってほしくはないが、当たるに違いない予想である。

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Comments

こんばんは!

民主党のマニフェスト、できっこないとの考えに対して概ね賛同します。
実際、多くの国民もそう考えているのではないでしょうか。それにもかかわらず民主党を選んだということは、利権がらみの自民党政治に嫌悪感を持ったのだと思います。

この際、民主党には唯一つだけ頑張って欲しいと思うことがあるのです。それさえやってくれれば政権交代が成功であったと思えることです。
私は天下り自体は反対ではありません。おおいに結構。しかし、これだけは止めてもらいたいと思うのは「持参金」と「随意契約」、それに「渡り」です。

民主党政権には少なくとも天下りにつきものの「交付金という名の持参金」・「偽りの一般競争入札、実は随意契約」を撤廃してもらい、天下り先が民間とガチの競争をやってくれるようにしてもらいましょう。
これだけでも、税金の無駄使いは随分減ると思います。

それから、二大政党制が形だけでも成立したのですから、この際、大手メディアも旗色を鮮明にすべきです。
似非中立報道はやめて欲しい。
そして我々は、メディアリテラシーをしっかり磨かなければならないと思います。

最後に、どさくさにまぎれて、後世に悔いを残すような「○○談話」などを残さないように監視しなければなりません。

Posted by: あびたろう | September 05, 2009 12:44 AM

選挙後、いろいろと国民の考えが各ニュースで報道されていますが、民主党のマニュアルが実行できると考えている人は20%程度だったそうです。それでも民主党が勝ったということは、たしかに自民党の政治に国民がうんざりしていたということでしょう。
今回の選挙は、民主党が勝ったというより、自民党が負けたというのが正しいと思います。じっさい、選挙前の挙党態勢も取れないさまは、政党としてまったく機能していないことを現しており、これではどの党相手でも負けるのは仕方なかったでしょう。
とはいえ、勝った民主党も政党として機能せず、1年を経たずして崩壊してしまうというのが、今のところの私の読みです。民主と自民の生きのいい者たちが、合従連衡してくれて、ましな新党をつくってくれればいいのですが。

天下りの件、まったく同意です。ただし民主党の大きな支持団体が公務員の労組ですから、改善はあんまり期待できないと思います。

>最後に、どさくさにまぎれて、後世に悔いを残すような「○○談話」などを残さないように監視しなければなりません

これ、今度の首相のキャラを考えると、たしかにやりかねず、まったく恐ろしいですね。
村山談話、それに河野談話がいかに国益を損じて来たか。ああいう人を辞書的には「売国奴」というんでしょうけど、本人たちは正義の味方気どりでその自覚が全然ないのがまた腹が立ちます。

Posted by: 管理人 | September 06, 2009 04:29 PM

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