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August 04, 2009

映画:サマーウォーズ

 内気な男子高校生が、憧れていた先輩女子高生にバイトを頼まれ、一緒に先輩の郷里を訪れる。そこで告げられたバイトの本当の内容は、なんと許婚を連れてくるよう家長の曾祖母に命令されたため、そういう人はいないと言えず、とりあえず婚約者の役をしてくれというものであった。
 というラブコメ風な内容から始まるのであるが、男子高校生は、数学について天才的才能を持っており、携帯にmailされた暗号を解いたことから、全世界のライフラインのシステムが「自分で思考するコンピュータプログラム」に乗っ取られ、世界は大混乱に陥る。主人公の滞在する家には、たまたま「その道の傑出したプロ」みたいな人が集っており、世界を救うため、みなが力を合わせて危機に対処する、といった話。

 それなりによくできた脚本で、デジタル社会のなかアナログ回線を駆使して混乱を解決していく曾祖母の活躍、スーパコンピュータを調達して持てる限りの力を使ってプログラムに対峙する人間の意地、難攻不落の敵プログラムへの勝負に全世界から届く応援とか、見せ場が続いて、あきさせることなく映画は続く。

 しかし、なんか浅い。

 細田守監督は、宮崎駿の後継者と目される人の一人だが、その域にはまだまだ達していないなあ。
 たとえば、孫たちを叱咤しながら作戦を遂行していく曾祖母の姿は、ラピュタのドーラ船長とキャラがかぶってしまうけど、存在感については圧倒的に差がある。食事のシーンもずいぶんと力を入れているけど、宮崎アニメの食事シーンのいかにも美味しそうなシーンにはおよぶべくもない。
 …まあ、いろいろとケチはつけるところは多いけど、前作とあわせ、才能豊かな監督であるのは間違いないので、今後も期待したい。

………………………
 サマーウォーズ 公式サイト

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