寿司@8月の光洋 and 一心鮨本店送別会
8月って鮨屋ではいいネタの入手がとても難しい季節だと思うが、光洋ではいかなる鮨が出るのであろうかと来店。店に入るとネタケースには見事なくらいネタがそろってなく、うん今はネタ切れの季節かと私は納得してしまった。
やっぱり夏枯れのシーズンですねえとか私は言ったのだが、店主は「とんでもない、今日はたまたまカウンター予約の客が少ないので、ネタケースには魚は置かず、きちんと保存するために、ネタはネタ箱に入れているのです」と主張。実際に店主はネタ箱からいろいろと美味しい肴と鮨種を出してきたわけで、…おみそれいたしました。
でも、まあ全体の感想としては8月は魚が弱いですなあ。
それでも、上手く調理した肴が出てきて、気持ちよく酒が飲めました。
鰆は「春の魚」という字を書くわりには、いつが旬やらよく分からない魚である。
ただ、たぶん今は旬でないみたいで、味は全盛期に比べ弱め。これをいい味のポン酢で和えれば、上品で豊かな味が広がる。
8月で真鯖は、養殖はありとして天然はないだろうと思っていたが、目の前で調理する鯖は脂がよくのった上物。それを食ってみれば、脂はけっこうのっていたが、晩秋の鯖にはやはりかなうものではなし。
でも今の季節にこのレベルの真鯖が出てくるとは驚きである。
そして、鯖もそうだったが、今日でてきた三厩の鮪も、8月の鮪としては考えにくいくらいの、成熟した濃厚な味。
どうにも魚の旬がずれてきている。明らかに日本の自然環境は、温暖化が進行し、亜熱帯化していますな。
こういう「本当の旬」というか「本当の季節」を、自分の舌で知ることができるのも、寿司屋の楽しみであります。
旨い肴と鮨を食い、旨い酒を飲み、客が私一人となってこともあり、さて帰ろうかと思ったら、本日は、姉妹店の職人が退職するのでその送別会をするので、それに付き合いませんかとのこと。この店は人の入れ替わりが激しい店であり、知らぬ間に店の人がいなくなることが多いので、そういうのを寂しく思っていたので、それは是非参加させてくださいと、部外者の私が送別会の焼肉屋(鮨食ったあとは、ちょっときつい)へと同行。
今回送別される人は光洋の姉妹店というか本店の一心鮨で9年間努めていた方である。今まで学んだ技術を生かして、和食店あるいは鮨店を開くのかと思いきや、郷里の父親の農業を継ぐとのこと。
となると今まで学んだ職人としての技術が途絶するわけで、もったいなく思える。ただし、次からは同じ食材関係の仕事。美味いものを供するということに関しては同様の仕事なので、それには今まで学んだ「どうやって美味いものを出すのか、つくるのか」という、深奥にしてやりがいのある命題と常に向き合うことになり、今までの経験が必ず役に立つと思う。
そういうわけでの送別会風景。
光洋のスキンヘッド軍団は、こう集まると、どうみても危ない人の集団に見えますな。一応、格闘技集団とか、ヤの字のつく職業の人ではありませんと注釈をいれておきます。
もし興味を持った方がおられましたら、どの人がどういう役割かを、一度店に来て確かめて下さいませ。
一人まともな格好の人が、今回の送別される人であります。
送別にあたり、宮崎の大地で、とっても美味いイチゴを作ってくれることを祈念いたします。
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