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July 06, 2009

読書:贖罪 湊かなえ(著)

 小学生の一人娘を殺された母親が、そのときに子供と一緒に遊んでいて、犯人を目撃したにもかかわらず犯人の似顔絵さえ作成できない友達四人に、「犯人がつかまらないのはあんたらのせいだ。あんた達を絶対に許さない。私に贖罪をしなさい。それが出来ないなら私があんた達に必ず復讐してやる」と逆恨みの呪いの言葉をかけ、その贖罪意識を背負って生きていかざるをえなかった四人の女性が、それぞれの人生を物語っていく形式の小説。

 語り手たちがそれぞれ背負う罪の意識は、かれらの人生を、その罪の意識に応じたものにねじ曲げていくわけだが、ねじ曲がった先はすべて悪い方向へ、破局へと向かっていってしまう。
 著者のデビュー作「告白」出てくる人物は、誰もが自分のことしか考えていない、非人間的で冷酷な者ばかりであったので、この小説でもそうかと思いきや、それほど人の道を外した者は出てこず、かえって自省というものを行うことのできる一般人を語り手として話が進むので、どうにも読んでて違和感を感じてしまう。

 女性たちの人生の破局は、逆恨み女の呪詛のせいであるが、小説が進むにつれ、子供が殺されたのが、逆恨み女に原因の全てがあることが判明し、それを知った逆恨み女が贖罪を行っていくところで、小説は終わりとなる。

 全体は暗いが、結末は妙に明るく、後味がよい。
 …湊かなえに期待する小説は、もっともっと暗く、後味の悪いものであるはずであり、こんなのは湊かなえの小説じゃねえよ、とか思ったのは私だけではないはず。

 ……………
 湊かなえ 贖罪

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