和食(鮎料理) 由貴亭@延岡市
日向灘には、大崩・祖母傾山系、九州脊梁山地の巨大な山塊を源流とする、幾本もの大きな川が注ぎ込んでおり、どの川にも鮎が泳いでいるのが自慢で、鮎はこの地を代表する魚となっている。
延岡も鮎の名産地であり、6月の鮎漁解禁を迎え、市内の店々で鮎料理がならぶことになる。
鮎という魚はこれだけ養殖技術が進歩した今でも、天然と養殖の違いが歴然とした魚であり、身と内臓と脂の香りと旨みを、鮎を食する醍醐味とするなら、天然ものを食わずして鮎を食ったということにならず、それゆえ、天然ものを常にきちんと出してくれる店は、鮎好きにとってはたまらない良店である。
延岡には鮎が獲れる川が幾本もあり、そしてその日の天候の具合によって釣れる場所が変ってくるわけであるが、地元にはその日のコンディションによってどこで鮎がよく釣れるかを知り尽くした達人たちがいて、そういう達人たちによって、鮎や、ついでにいろいろな天然素材が市内の店に供給される。
由貴亭の主人もその達人の域に近い人であり、店で供される鮎は、大部分が自分が獲ってきたものである。
本日の鮎は五ヶ瀬川支流の見立川のもの。
けっこう遠いところにある川だが、本日の天候からはこの川が狙い目であったそうだ。
見た目も美しいが、香りもまた素晴らしい。
鮎は、背越し、甘露煮、唐揚げ、さまざまな料理法があるけど、これほど塩焼きに尽きる素材もないように思える。
焼き方も上手で、皮をぱきっと開いて、そこで立ち上る、清流のコケの香りの豊かなこと。
ほくほくした身、香り高い皮と脂、ほろ苦くも香ばしいワタ、…6月はまだ成長が足りなかったが、7月になって鮎の美味さがぐぐんと増してきた。
今日は鮎を目当てに行ったのであるが、肴で出てくる一品料理は、丁寧につくったものが多く、定番の手作りゴマ豆腐とか湯葉とか、店主の技術がしっかりしたものであることがよく分かる。
この刺身の盛り合わせも、なかなかの素材を用いたもの。鰻の白焼きが出てくるのもいいじゃないですか。
カウンターの水槽には鮎が泳いでいる。
これは活きつくり用というわけではなく、売り物ではない。店主が次に鮎の友釣りに行くときのための、おとり鮎というわけ。
ここで鮎が泳いでいるときは、鮎のシーズンということが、すぐわかります。
この店は鮎釣りの達人が集う店でもあり、私もせっかく延岡にいるのだから、一度はtryしてみませんかと誘われているが、…どう考えても卓越した技術のいる特殊な釣りに思え、いまだ行く気がしない。
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由貴亭 宮崎県延岡市安賀多町3丁目3-4 TEL 0982-22-9164
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