花菖蒲@神楽女湖(別府市)
神楽女湖の花菖蒲が花の盛りという話を聞き、別府方面に行くついでに、寄ってみた。
神楽女湖という美しい名前は、平安時代にこの湖の湖畔に神楽女が住んでいたことから名付けられたと伝わる。神楽女って、神社の巫女さんのことだけど、湖の湖畔に神社は付きものなので、湖畔に神楽女が住んでいるのはあたりまえとも言える。それで神楽女湖という名前の地は他にもいくらでもあっていいはずだが、検索するかぎり、「神楽女湖」という名の湖は大分の盆地のここだけである。
なんでなんでしょう。
不思議だ。
普通に考えれば、平安時代この湖のそばに住んでいた巫女さんが、湖の名前を乗っ取るほどに、尋常ならざる存在であったんでしょうなあ。
絶世の美女だったとか、狐の化身だったとか、訪れた人を食ってしまう食人鬼であったとか、髪の毛が蛇で見た人を石にしてしまう怪物だったとか、あるいは湖のなかに住む半魚人だったか等々の、湖周辺の人に強烈な印象を与える存在であったことは間違いない。私らが想像をめぐらせば、あらゆるパターンが無責任に思い浮かぶけど、真実はたぶん一つしかないはず。
それには歴史を調べるしかないが、調べてみると面白い記録が見つかる可能性は高い。なにしろ、ここの土地は、意外と古くから文献が残っている地であり、奈良時代の風土記あたりから歴史に登場している地なので、平安時代の記録くらい探せば、どこか(博物館とか郷土歴史館とか)にある可能性高し。時間のあるとき、またこの地に寄ってみようかな。
それはさておき、名称のユニークさに加え、湖もユニークだ。
なにせ湖という名前はついているが、訪れたときは、湖でもなんでもなく、ただの湿地帯だったから。
菖蒲の花を前景に、「湖」が奥にあるが、水はまったくない。
水の上を通るべく木橋と東屋が、所在なげだ。
いずれアヤメかカキツバタ、…というか、花菖蒲。花々に満たされた公園。
全体的に7分咲きで、丁度いい具合の咲き方。花の瑞々しき美しさがよくわかります。
花菖蒲、これほど咲いていれば、その美しさは胸にせまるものがあります。でも、そこに差す強い陽光が、ちょっと邪魔かな。
花を求めて来た週末旅行であったが、おしむらくは、昨日のミヤマキリシマは燦々たる陽光のもと、そして今日の花菖蒲はしっとりした霧雨で見たかった。
なかなか、旅と花のタイミングは合わない。いや、花にかぎらず、見たきもの、経験したきものと、旅のタイミングが合うこと自体が珍しい。
でも、そのタイミングを求めて、私たちは始終旅しているわけで、最高のタイミングを得るまで、旅は終わらない。
…と書いたが、最高のタイミングを得たところで、その時はいったんは満足するであろうが、すぐに、そこで旅は終わるはすもなきことに誰もが気づくわけで。
そういうわけで、旅の計画は、えんえんと続いていく。
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