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June 13, 2009

登山:九重大船山 ミヤマキリシマ

 6月第一週はミヤマキリシマ満開の時期なので、それにあわせ第一週週末が九重の山開きの日となっている。このときは2万人くらいの大勢の人が九重に押し寄せて来るので、花の盛りにくわえ、人も盛りで、山じゅう祭りみたいに賑やかでよろしいのだが、第一週は他の予定があり、第二週に登ることにする。結果からいえば、天気がこっちのほうが良かったので、ラッキーであった。

【雨ケ池】
Rain_pond

 大船へは最もポピュラーな登山ルートである、長者原→雨ケ池→坊がつる→大船のルートで登ることにする。
 坊がつるへの峠に位置する雨ケ池は、盆地状の湿地帯になっていて、名前の通り、大雨が降ったのちは浅い池となり、その上に木橋がかけられた形となる。もっとも池ができることは滅多になく、だからこの木橋のホントの意味を知らない人は多いと思う。私もここに池ができているのを見たのは、雨のなか登ったときの一回きりだ。
 雨ケ池は植生の豊かなところで、この時期には、ドウダンツツジ(漢字で書けば「燈台躑躅」。まず読めんな)、イワカガミ、ボケ、ミヤマキリシマなどが咲いているはずであるが、もうだいたい散っていた。

【坊がつる】
Bougaduru

 登山者しか見ることのない、九州で最も美しい盆地「坊がつる」。(大船林道経由で自転車で来る者もいるではないかとかのツッコミはいれないように)
 名峰、久住,三俣山,大船山に囲まれ、清流が湿原のなかを流れていく平地。一面の緑の美しさ、取り囲む山の雄大さ、澄み切った空。ここに寝っ転がって、ただただまわりを眺めていたくなる、そんなところ。
 しかし今回は登山に来ているわけで、テントを張った横に寝っ転がって空を見ている人たちを横目に、登山口より大船山に向けて登っていく。

【大船山】
Mt_taisen

 尾根を登り切り、稜線上に出ると、花は盛りの時期であった。
 ドウダンツツジにミヤマキリシマの2ショット、その奥に見える大船山の山肌には、ミヤマキリシマが満開に咲いている。

【大船山 ミヤマキリシマ近景】
Azalea1

 先ほど見えた山肌のミヤマキリシマ、近づくとこんな具合。
 きつい思いをしながら登ったことが、報われる美しい光景です。

【イワカガミ】
Rock_mirror

 稜線にはイワカガミもたくさん咲いていた。
 お菓子のアポロチョコに似たような色と形の、可憐な花。
 小さな釣鐘にも似ていて、風が吹いて揺れると、チリンチリンとかすかな音を立てそう。

【ミヤマキリシマロード】
Azalea_road

 大船山頂まで登ってから、段原まで下りて、そして北大船へ登り返す。ここが今回の山行のハイライト。
 九重山系にミヤマキリシマは多く咲いているけど、北大船周囲のミヤマキリシマの密集度は格別で、それゆえここの群落は天然記念物に指定されている。まったく、この一帯はミヤマキリシマに埋め尽くされており、それを切り割いて、登山道が作られている。天然記念物に何すんねん、と思わぬこともないが、ミヤマキリシマだらけの山なので、そこに道をつくるしかなかったわけであろう。

 残念ながら、花の状態はいまいちで、登山道全体がミヤマキリシマのピンクの色におおわれる、あの素晴らしい風景は見ることはできなかった。
 運よく花盛りのときに登られたときは、人がどんなに手間をかけて作っても作ることができない、この世のものとも思えないような、華やかで、麗しい空中庭園のなかを歩いて行くことができるのだが、…でも、これくらいの咲きかたでもやはり美しく、十分に楽しめるでしょう。

【満開のミヤマキリシマ】
Azalea2

 でも惜しむらくは、このレベルのミヤマキリシマが、まだまだあってほしかった。
 稜線上で、この一株だけが、満開に花を咲かせていた。
 ミヤマキリシマは本気を出すと、ここまで自身を花だらけに飾ってしまう、テンションの高い植物なのである。このレベルのものが山頂付近で咲きそろったときなど、坊がつるから北大船山~平治岳を見れば、山頂から稜線がピンクに染まり、まるで山がピンクの帽子をかぶったかのように見える。
 そしてそのピンクに染まりし稜線の道を行くときは、まさに夢にしかない道を歩む気持ちにひたれる。
 自然がつくりし、季節のなかで束の間にしか姿を現せない、至高の美しき道。山登りの苦労をした人にしか与えられない、その道を、唖然呆然としながら歩んだのは、いつの日だったか。
 
 ずいぶんと前から訪れている九重であるが、自然環境の変化(特に虫害)で、10年以上前からは、あの途方もない、天上の世界そのものの、華やかで、美しく、ピンク色に輝くミヤマキリシマの道は経験できないでいる。
 しかし、いつかは、またあの道に会えることを期待しつつ、毎年この山を訪れている。
 

 北大船を超えてからは、大戸越経由で、坊がつるへと向かう。
 この道は泥まみれなことで有名であり、昨日雨が降ったことから、登山道は泥田んぼ状態になっているのではと予想していたが、それほどのことはなく、ズボンやシャツが泥まみれになることはなく下山できた。
 全行程6時間ほど。
 ほどよく疲れ、ほどよく汗をかき、さて、由布院へ温泉に入りに向かう。

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Comments

はじめまして
天ちゃん先生の紹介でここへたどり着きました。
食に関すること少し読ませてもらいましたが、凄いとしかいいようがありません・・・
これから少しずつ目を通して、勉強させてもらいますね。

それと大船山 ミヤマキリシマは綺麗ですね。山を下っての温泉はさぞ気持ち良かったでしょう。

Posted by: 信州 | June 28, 2009 12:36 AM

はじめまして。
天ちゃん先生の紹介ということは、かなり食に詳しい人かと推測いたします。
天ちゃん先生には、まだまだ及びもつかない未熟者の私ですが、世に存在する美味しい店、美味しい料理を細々と紹介していきたいと思っております。
というか、このブログは体育会系の話題がメインのはずでありまして、自転車や山の旅も、たまにのぞいていただければうれしいです。(笑)
九重下山後の温泉は、主に由布院の宿を気分しだいで選んでいますが、どこも絶品です。九重・霧島・雲仙といったところは、下山後にいい温泉宿があるところが、山の魅力につけくわえ、大きな魅力となっていると思います。

Posted by: 管理人 | June 30, 2009 12:06 AM

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