登山 行縢山@延岡
延岡市からはたくさんの山が見えるのであるが、そのなかでも行縢山は特徴的な山の形で、とくに目をひく山である。行縢山は山容が面白いことのみならず、古い歴史を持つ山ということでも有名だ。なにしろ日本書紀の最初の方の、ヤマトタケルの物語の舞台となっており、ヤマトタケルが女装して討った熊襲族の長カワカミタケルが住んでいたところが、この行縢山であったとのことだから。もっとも日向の地は熊襲の地と少々離れており、ほんとにカワカミタケルの住んでいた伝説の地かどうか、疑問の余地なしとはいえない。だいたい、前に鹿児島の妙見温泉に行ったとき、カワカミタケルが住んでいたという「熊襲の穴」なる洞窟を見物した記憶があり、南九州は探せば、カワカミタケルがヤマトタケルに討たれた伝承のある地って、まだまだあるのでは。
それはともかくとして、登山口が市内から30分ほどのところにあり、たいへん登りやすい山であり、天気がよいことから、散歩がてら登ってみることにした。
登山道に入ってしばらくすると、行縢山の雌岳が姿を現す。行縢山は2つの峰から成り立っており、雌峰のほうが尖っている。花崗岩の巨大な岩が、晴天に頭を突っ込んでいます。さらに進んでいくと橋を渡り、ここから行縢の滝を望むことができる。
行縢山の雄岳と雌岳の裂け目から、77メートルの高さの滝が流れ落ちている。こういう山の稜線から一気に流れる滝はかなり珍しく、日本の滝100選に選ばれています。登山道は滝方面に向かっており、途中で滝壺に寄ることができます。本日は水量が少ないことから、たいした滝とは感じられなかったけど、雨量の多い季節などは迫力十分な滝の流れを見ることが出来るのでは。
稜線上に出ると小さな神社の祠があり、そこを少し下って、滝に至る沢を渡り、雄岳の稜線に入る。雄岳は屏風のような形をしており、その屏風の縁に当たるゆるやかな登り道を進んでうち、雄峰の頂上に着きます。標高は831m、登山口からは1時間くらいの行程。
頂上にはさえぎるものもなく、延岡から日向灘まで一望に広がる絶景が楽しめます。延岡市は旭化成の大きな赤白エントツがいいランドマークとなっており、どこがどのへんやら容易にわかる。
頂上で、持ってきた「宮崎県の山 (山と渓谷社 1994年版)」というガイド本を見ると、頂上から直接下におりることができる「南稜コース」なる道が載っている。雄岳西南方面は、スパッと切れ落ちている崖なので、ほんとにそんな道があるのかいなと思い探索すると、たしかにそれらしき道がある。ケモノ道みたいではあるが、ロープやらテープがところどころにあるので、人間が歩いてよい道のようだ。しかし、下っていくうち、地図では道は稜線を直下していくのに、今進んでいる道は、稜線から離れ崖を巻いて東方面に向かっている。どうもおかしい。このまま進み道に迷うと、登り返さねばならないのが面倒なので、本日はさっさと撤退して山頂に戻り、元来た道を引き返すことにして、下山した。
行縢山には登山道を記した地図も設置してある。汚れていて読みにくく、読む気もしなかったので写真だけ撮っておいたが、見直すと、その雄峰からの下り道が載っている。それによると、崖を巻いていくのが正しいルートであり、「宮崎県の山」に載っていたコースは、廃道になっていたのか、あるいは間違いだったようだ。
登山道については、ネットで検索するときれいな地図が載っていたページがあったので、リンクさせていただく。
「行縢山 行縢の滝」
行縢山は市内から近く、また登山道もよく整備されているから登りやすい山だ。登りやすいわりには、山に変化が富んでいて、景観もよく、水や緑も豊富。
これは、いい山です。
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