5月の光洋
光洋に鮨を食いに行く。最初はコハダから。
コハダは浅く〆たものと、〆てじっくり寝かせたものなどを食べ比べ。コハダは〆ることにより旨味がぐっと増し、噛むごとにコハダと酢と塩が一体化した、コハダ独自の玄妙なる味が口の中に広がるわけで、それがコハダを食べるキモの一つなのだが、コハダそのものが良いと、浅く〆たものでも、コハダの脂のそこはかとない甘さがより分かり、これはこれでじつに美味いと思う。
コハダを堪能したのち、光りものを連続で、サバ、アジ、イワシともらう。光りものは、少々素材が悪くても、上手く〆ればあんがい食べられる鮨に仕上がるわけで、そういう鮨を近頃近所で食べてそれなりに満足しているが、やはりモノが良ければ、鮨のレベルは格段に上がるなあ。どれもこれも、口の中でとろけゆく食感と、素材の旨さをより高める〆方が見事。
さて、本日は常連W氏がカウンター隣に座られた。
美味いものを求め全国を訪ね歩くW氏は、宮崎市でも美味いものを食いたいと願い、店主がデビューして以来、「もっといいものを出せ。なければ探せ。値段が張っても自分がちゃんと食う」と、店主を鍛え、地元での一流店に育てあげた功労者の一人である。(このような人がいるおかげで、私などが美味いものでありつけるわけで、ありがたいことだ。)
そのW氏、「九州ではいいアワビが食べられない。宮崎でも銀座に負けないアワビを一回くらいは取り寄せて、築地の業者を驚かせてやろうではないか」とのアワビ大作戦を練っている。たしかに、銀座の鮨屋では、神社の社宝のように、大きな鏡のようなアワビが調理場に飾ってあるのを見かけるけど、あれは九州ではみない光景だな。あのサイズのアワビが九州に来ないのは、要は高いからであって、業者の言い値で買えば手に入れるのは可能。あとはそれを食う客がいるかどうかだが、それはW氏が責任をもって集めるそうだ。W氏を含め、この店の常連は濃い人が多いから、それは十分に可能であると思われる。というわけで、初夏の旬を迎え、光洋では幻のアワビである、「大原のマダカアワビ」Get計画が始動となった。もし入荷できれば私にも連絡を頂けるそうで、それは楽しみだ。…私も濃い人のようである。
光洋では、アワビGet計画と並行して、店主のダイエット大作戦も進行中。
店主のメタボ体型は、フランス料理のシェフならばっちり決まっているが、鮨屋では無理がありますよ。鮨屋の店主の理想の体型は、水谷さんみたいなので、ああいう古武士みたいな人が握った鮨のほうが、明らかに凄味があるでしょう、などと私は店主に言っていたのだが、まあ私が言ったからというわけでもなしに、なにか決心することがあったようで、今年からダイエット開始、だいぶとスリムになってきている。私は1か月ごとくらいのペースでしか来ていないので、その痩せかたがよく分かります。ぐん・ぐん・といった感じのハイペースの痩せかたであり、人間まじめにダイエットに取り組むと、きちんと痩せるんだなあと感心。
とはいえ、まだまだ水谷さんの域には達していない。精進を続け、名人水谷さんに追いつけ、追い越そう。体型も、そして鮨の腕も。などと勝手なことを書いておく。
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