都城~日南~宮崎市(1) 飫肥街道:都城~新上熊トンネル~飫肥
今回は2名でのサイクリング。
職場の見習いF君(20代の好青年)は自転車好きなので、以前に新矢立峠を越えて広渡ダムまでの往復ルートを一緒に走ったことがある。このときF君は高い峠を越える全行程60km強を楽々とこなしたので(あとで聞くと、「すごくきつかったっす」とのことだったが)、今回はもう少し距離を伸ばしたサイクリングをしてみよう。
自転車で100km以上を走って宮崎市に着、その夜は、のどが渇き腹も減った状態で、「光洋」で宴会し、たらふく飲んで食うという、なかなかに魅力的なプランを立てる。コースとしては、日南まで出てそれから宮崎市に向かうことにする。F君は100km越えには自信がないというけど、彼はフルマラソンを三ヶ月連続で走るような男なので体力的にはまったく問題なかろう。どう考えても、自分の足で42km走るより、自転車で100km漕ぐほうが楽に決まってる。自慢じゃないが、私はフルマラソン完走なんてまず無理だ。
日南に出るまでは、鼻切峠と新上熊トンネルの二つの峠を越えることになる。それから一挙に海岸まで出てしまうと、もう峠はなくなり少々ものたりない。だから海岸まで出ずに、飫肥で90度向きを変え、北郷へ北上すると、椿山峠を越えて宮崎市に入ることになり、こっちのほうは峠をもう一つ越えられ、面白そうだ。しかしその案はF君に断固拒否され、結局日南海岸コースを行くことにする。
【鼻切峠】
最初の峠は鼻切峠。F君は元気いっぱいにペダルを踏んでいる。
鼻切峠を過ぎてからはしばらく下りが続き、日南方面に左折してもさらに下りが続く。やがて登り坂が始まると、それからはだらだらした登りが続き、そのまま新上熊トンネルへと到る。この登りの途中で、F君が右足の膝が痛くなったとのことで小休憩。休憩後は回復し、それから新上熊トンネルへと到着。トンネル内は車道を走りたくないので、都城側から見て右側の歩道に移動して自転車を漕ぐ。こちらの歩道のほうが左より広いのだ。
トンネルを抜けて市が都城から日南に変ると、道の状態が断然良くなる。日南市、道路整備に力を入れているようです。新上熊トンネルからと、新矢立トンネルからの下り道は、「自転車で走って気持のよい道路 九州100選」なんて企画があれば、かならずエントリーされる道であると思われる。道の状態はいいし、道幅は広いし、車も走ってなく、爽快に自転車を走らすことが可能。F君は45~50kmでかっとんで行き、ハイスピードが苦手な私は付いていくのがやっとだ。
いつのまにこんなに登ったのだと思うくらいの距離をえんえんと下っていき、ようやく下りの傾斜がゆるくなるころ、深瀬地区に出る。走るときに注意をすれば、左手に、頑丈に造られた、地方文化財になりそうな石橋があるのを見つけることができる。その手前、この石橋を守るかのように、変な案山子が立てられている。これは十分に不思議物件と認められる奇妙な案山子のため、改めて別項で紹介したい。
道を進めていき、坂の下りの底は、酒谷ダムということになる。二段階構えで水を調節しながら落とす、面白い形のダムだ。ここを過ぎて、平坦な道を飫肥へ向けて、自転車を漕いで行く。
飫肥街道、酒谷から飫肥の間に、「道の泉・種子田」という休憩所もどきの所がある。天然の湧水が豊富に流れているところで、ここで一休みして水でも飲んでくださいとの趣旨の場所と思うのだけど、「道の泉」という名称のわりには、「この水は自己責任で飲んでください」みたいなことが書いている野暮な注意書きがあり、なんだかよく分からん「道の泉」だ。
ここで、すごい自転車を止めて休憩している初老の人がいた。この自転車、通常のロングサイクリングの簡便かつ合理的パッケージと異なり、あるものいるものなんでもかんでも強引に詰め込んだ、迫力ある荷造りをしている。傘、サンダル、替えタイヤ(チューブではなく)、宿泊道具一式、なんでもござれだ。言っちゃ悪いが、自転車移動のホームレスといった感じで、…なんか憧れてしまう。
京都を出発して、あちこちの道の駅でテント泊をしながら旅をしているとのこと。日本一周旅行中とかなのでしょうかと尋ねると、日本一周自転車旅行は、22才のときと24才のときにすでに2回しているとのことでした。
焼酎を飲んで自転車漕ぐときつくなるんだよねえ、でも休憩しているときはこれが楽しみだからやめられないんだよねえ、とか言いながら、コップ入り焼酎を飲んでおりました。自転車乗りも、ここまで達人になると、ある種の貫禄を感じてしまう。たぶん、このお方は、その道では有名な人なのだろうと思う。
飫肥街道、酒谷ダムを下りてからは、飫肥までずっと平坦である。
橋を越えると飫肥の町が見えるが、風景が今までとがらりと変ります。
白い漆喰壁と本瓦が特徴的な建物が、国道沿いに立ち並んでいます。通りに電柱や電線はないので、すっきりとした外観になっており、かつての城下町の風景を模しているのでしょう。建物の数軒は、飫肥名物厚焼き玉子を売る店で、土産を求める人たちで賑わってる。
飫肥は城址が名物なので寄ってみたところ、人力車が幾台も走っている。由布院などと同様の観光サービスかと思いきや、本週末のみの「人力車サミット」なる催しで、たまたま飫肥を人力車が走っていると、あとでニュースで知った。珍しいものを見たわけだ。
飫肥は観光名所であるが、観光客が多く、自転車でうろつく雰囲気でもなかったので、飫肥の滞在は少々にとどめ、222号線に戻って日南海岸を目指した。
その(2)へ続く。
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