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March 25, 2009

激辛料理「火鍋」

 インド料理は辛いというイメージが強いが、あそこの料理はスパイスを豊富に用いた味付けが特徴的なのであって、本来辛さはたいしたことはない。だから日本での「本場インドの激辛料理」などというものを本場のインド人が食べたとき、「こんな辛いもの食えるか」とあきれるそうだ。しかし、インドのスパイス料理がチベットを越えて中国に入り、中国料理とインドのスパイス料理が合体して成り立った四川料理の「火鍋」は、まじに辛い。「激辛料理」という名前は火鍋のためにあると思ってもいいくらいの辛さである。

 なぜ四川省の火鍋が辛いかというと、それには地理的理由による。四川省の主な都市は盆地にあるので、夏は非常に暑く、冬は非常に寒いという、人間が住むには厳しい気候環境にある。エアコンなどのない時代、住民はそれをどうやって対処していたかというと、「冬はものすごく辛い料理を食べて身体をカッカさせて温まる」「夏はものすごく辛い料理を食べて汗をたくさん流してすっきりする」の二本立て。辛いものを食べて気候に打ち勝つという、簡単かつ乱暴な方法により、今までしのいできたのだ。
 とりあえず、現地ではそのように言ってた。

 かれこれ10数年前中国に行ったとき、重慶市内をぶらぶらしていると、やたらに「火鍋」と看板のかかった店が目についた。ガイド本を見ると、これが四川の名物だということを知り、あまりに汚い外見に入るのを嫌がる同僚を無理やり説き伏せ店に入り、火鍋なる料理を食ってみた。異様なにおいのする、ごたごたしたものが煮詰まっている赤いスープの鍋に、テーブルに並べている羊や豚の臓物を持ってきて、しゃぶしゃぶ風に煮て食べる方式。一口食べると、あまりの辛さにむせてしまう。しかし、これがクセになる辛さであり、むせて、涙を流しながらも、どんどんと具財を鍋に放り込んでは食ってしまった。初めは異様な料理に怖気をふるっていた同僚も、知らぬまに懸命に食べるようになっていた。
 中国では北京や上海の有名な店でも名物料理を食べたけど、私は重慶の小汚い、というか大汚い店で食べた火鍋がいちばんインパクトが強く、そして美味かったと思った。
 火鍋の印象が強烈だったので、これは他の者にも経験させねばと思い、重慶のスーパーーに売っていた「火鍋の素」を買い、帰国したのち職場で火鍋の宴を開いた。羊や豚の臓物は手に入らなかったので、普通の肉やホルモンを使わざるをえず、本場のものとは微妙に違うのだけど、それでも、辛さと臭いの強烈な、特徴ある料理であり、みな鼻をすすり、むせ、涙を流しながら、「これはクセになるねえ」とか言いながら、喜んで食べたものだ。それが10数年前の話。

 その宴のときにいた上司が、今の職場にもたまたまいる。
 先日酒の席で、上司が「あの火鍋は美味かったなあ。また食いたいよ」と言う。宮崎の中国料理屋で、あれを食わせてくれる店はないだろうけど、まあ、素が手に入れば鍋自体はできる。

【火鍋の素 (中国より輸入したもの)】
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 今はネットでなんでも簡単に手に入る時代だ。楽天を調べると、中国現地の「火鍋の素」が容易にヒット。さっそくこれをGETし、近くの居酒屋で火鍋パーティを行うことにした。

【火鍋の素】
Hinabe1

 まずは火鍋の素を炒めて香りを出し、それを鍋に入れる。

【火鍋】
Hinabe2

 水を入れて沸騰させ、それから肉やらホルモンやら野菜やら何でもいれて、ぐつぐつと煮る。写真で見ると、いっこうに美味しそうに見えないが、立ち上る異様な香りは尋常なものでなく、食欲を多大にそそります。
 そして具が煮えると、みなさん一心不乱に、涙を流し、むせながら火鍋と格闘するのは、お約束ごと。ほんとにクセになる料理です。

 この火鍋、美味しいのはいいけれど、困ったことが一つ。辛さに慣れていない人が大量に食べると、翌日におなかにけっこうきます。
 一回くらいは経験すべき料理だから食ってみろよ、と鍋に参加させた見習いF君、美味い、美味いと喜んで食ったはいいものの、翌朝4時に腹痛で目が覚め、午前中は仕事がきつかったとのこと。まだ火鍋の素は余っているので、おなかを鍛えるためにあげようかと言うと、もう結構とのことであった。

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