浄瑠璃寺(京都府木津川市)
正月中になにかイベントをやっている寺はないだろうかと調べたところ、浄瑠璃寺で「吉祥天」の公開がやっているとのことで行ってみることにする。もっとも私に吉祥天に対しなんらかのまっとうな知識があるわけもなく、相当な昔に、性格の悪い美少女が活躍する「吉祥天女」なる漫画でのみ、吉祥天女の名を知っているだけで、あの悪役美少女のモデル(たぶん)となっている神なので、さぞかし美しかろうと思い、一度は見てみる気になったのだ。
その浄瑠璃寺、交通の便の悪いところにある。
近鉄奈良駅を降りて加茂駅行のバスに乗ったが、寺直行のバスの本数は少なく、多くは浄瑠璃寺の近くらしい「浄瑠璃口」にしか停まらず、しばらくはその手のバスしか来ない。「浄瑠璃寺」と名前のついているバス停だから、とにかくそこに行けば歩けばすぐだろうと、バスでそこまで行き降りた。
【標識】
降りてすぐ標識がある。「浄瑠璃寺へ3km」だって。
3kmなら歩いて行けない距離でないので、まったく姿の見えない浄瑠璃寺へ向かい歩くことにする。途中で不思議物件発見。
【不思議物件】
「竹小屋」なる名前がついているが、どこにも竹は使われていない。前に据えられた、まったく回りそうにない風車がチャーミングだ。
いったい何に使われている小屋なのだろう?
この小屋を少し過ぎてから、道は登りとなる。浄瑠璃寺は山の上にある、山寺のようだ。
夏の時期なら汗だくになってとても登る気のしない道を、寒い風の吹く気候に助けられ、約30分で目的地着。
【三重の塔】
辺鄙な地にかかわらず、ここには国宝がある。まずは三重の塔。平安時代作というから、800年以上倒れずに建ち続けた、根性のある塔だ。
以前山口の瑠璃光寺に行ったさい、そこの五重の塔を案内してもらったとき、「日本で唯一、無料で見られる国宝です」との説明を受けたことがあるけど、ここにもあるじゃん。
【庭・本堂】
阿弥陀如来像がいっぱいある寺ゆえ、この庭は浄土の世界を表現したものなのだろうか?
こじんまりとしたなか、まとまりのある、そして静かな庭です。京都の寺と違って、奈良の寺は(って、いちおうここは京都に属するけど)閑静でいいです。新緑の時期、紅葉の時期、ここでだらだらとした時間を過ごしたいと思った。
目的の吉祥天は本堂の中。本堂内は参観料がいります。300円だったか。9体の阿弥陀仏がずらりと鎮座しているさまは、独特の迫力があります。よくこんな鄙びた山の小寺に、値の張るであろう仏は9体も集めたものだ。たぶん、昔はもっと大きな寺だったのであろう。吉祥天は、暗がりのなか、美しさはよく分からなかった。でもパンフレットの写真を見ると、鮮やかな色がまだ残っている、唐風美女の、艶やかな神像でありました。
浄瑠璃寺を存分に満喫して、帰りはバスに乗り、加茂駅に着。やっぱりバスだと早い。
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