正月3日@俵屋旅館(京都市)
【俵屋玄関 正月バージョン】
伏見稲荷の参拝を終え、今日の宿「俵屋」へ。
この宿は入り口から入ったときの客を迎える雰囲気が独特であり、温かさ、優しさがふんわりとじっくりと感じられる。まるで長年過ごしていた古里の家にひさしぶりに帰るときのような感覚を与えてくれる、ほんとうに日本的情緒豊かな応対だ。ただし、去年から少しばかり雰囲気が違っている。べつに悪くなったというわけでなく、長年勤めていた下足番の人が退職して別の人が担当するようになり、かもしだす温かさのオーラが微妙に変ったのであり、それがちょっと私には慣れない。まあ、こうやって宿は変化し、進歩していくのでしょう。
正月なので、床の間の月次は柳。柳がくるりと円をかいている。意味はよく分からないが、いかにもめでたそうな意匠である。飾られた打ち出の小槌ふうな俵の置物、注連飾り、華やかな掛け軸とあわせて、床の間はめでたさいっぱいの空間となっている。
つやつやに磨かれた槙の風呂で、なめらかな湯あたりの風呂で疲れをいやし、さて食事。
俵屋の料理は、素材と調理にかけては日本でもトップレベルのものでしょう。そして、ものすごい手間をかけているのに、それがまったく目立たず自然なかたちで料理として出てくるのも特徴だ。ただし今回は正月だけあって、いつもよりはやや派手目。めでたい系の料理でした。
料理の味はいつも通り、間然するところなき、完成されたもの。とくに腕ものの素晴らしさ。水、出汁、具、それらが絶妙にバランスをとって、「京の椀物」の凄さを示している。
完成度の高い部屋、美味い料理、温かな接客。
いい宿です。こういう宿に正月に泊まると、日本人に生まれてよかったなあなどと思うなり。
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