July 07, 2019

御田祭@美郷町西郷区

 七夕の日、美郷町の有名な祭り「御田祭」に行ってきた。
 千年近い歴史を持つ田代神社の田植えの祭りであり、それは神社前の神田において、牛馬、人力を用いて整地を行い、そのあと田植えを行うという、機械化の進んだ現代ではもう行われなくなった伝統的田植えを神前にて行うという、希少価値ある祭りなのである。

【馬入れ】

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 いきなりクライマックスから紹介。
 大きな裸馬にまたがって、青年たちが神田を疾走。泥飛沫を上げながらの豪快な疾走。なお、鞍も鐙もない裸馬ゆえ、乗り手はしょっちゅう泥の中へと落馬して、かなり危険な行為ではある。

【牛入れ】

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 馬に続いては牛の神田入り。
 この牛たち、普段は農耕などしないだろうから、泥田に入るのを露骨に嫌がっていて、泥のなかに入れられると興奮状態になり、引き手たちの手綱を振り払い、逃げ回る。そして泥田のなかで暴れているぶんにはいいのだが、一匹が畔に乗り上げ、そこで向きを変え観光客に向かって突進してきた。それはまさに猪突猛進というべき勢いであり、そしてその観光客のなかに私もいたので、慌てて横に飛んで逃げて難を逃れた。
 それって、ほぼ間一髪のタイミングであり、カメラのファインダー覗いていたら、行動が遅れて間違いなく牛にぶつけられていたところであった。そうなるとただで済むわけもなく、病院送りは確実であり、あやうく宮日新聞に載ってしまうところであった。あぶない、あぶない。

【牛入れ】

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 というわけで、牛のほうはあまり整地に役立たず、引き手によって懸命に宥められていた。写真にするとのどかな風景であるが、内実はかなり緊張感あるのである。

【御輿入れ】

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 牛馬に引き続き、人の手でも整地を行う。
 青年たちが御輿をかついで神田を一周。そのあとは大暴れし、泥のかけあい。

【代掻き】

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 また馬の登場。今回は泥田のなかの疾走でなく、真っ当に農具を使っての整地。こういう時でないと今では滅多に見られぬ、犂を引いての代掻きである。

【田植え@早乙女】

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 整地が終わったのち、絣と編み笠姿の早乙女達によって、田植えが始まる。バックグランドには、催馬楽の囃子歌。

【田植え終了】

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 二列の早乙女達の列が離れていくにつれ、田植えも進んでいき、そしてほぼ終了。
 泥田が、一面稲苗の植わった田圃に変わった姿はなかなかに感動的。しかし、賑わっていた観光客は途中で飽きたのかほぼ帰ってしまい、がらーんとしているのは少々味気ない。

【早乙女meet巫女】

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 神事が全て終わり、足を洗いに行く早乙女たち。そこに巫女が通りかかり、互いに「かわいい~」と言い合う、ほほえましい風景。

 御田祭は普段見られぬものがふんだんに見られ、静も動も、いい被写体が多く、場内には高性能カメラを抱えたプロとアマチュアのカメラマンがたくさん居た。県外からも撮影目的で多くの人が訪れるそうだ。
 御田祭写真コンテストもあり、各所から送られた写真が後日順位を付けて発表されるそうである。
 私も突進してくる暴れ牛の近影を撮っていたら、それはずいぶんと迫力ある写真だろうから、いい順位を取れたかもしれないが、しかしそれは即私の病院送りを意味するわけで、そんな写真が撮れなくて幸いであった。

 こうして今年の御田祭は私に、「暴れ牛は怖い」という大事な教訓を与えて終わったのであった。

 

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July 06, 2019

滝で涼みに日向冠岳へ

 宮崎県北にはそれぞれの地域に目立つ山があって、「市民の山」的な存在となっている。延岡では行縢山がそれで、日向市では冠岳がそれに当たる。
 梅雨が始まり連日雨が降る中、週末は梅雨の中休み的となり、好天との予報なので、近場の山に登ってみることにした。冠岳なら標高も低くてあまり疲れないだろうし、それに滝がいくつもあり、滝で涼むこともできるだろう。

【登山道】

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 冠岳は標高438mでさしたる高さはないが、7月だけあってそれなりに暑く、しかも林のなかは蒸し暑くて、最初の30分くらいでそうとうに疲れてしまった。何度も途中で帰りたくなったが、とにかく稜線に出れば風は吹いているだろうから、それを頼みに歩を進めて行った。

【岩場】

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 この岩場まで来ると風景は開けてきて、風も吹いてきたので、ようやく一息つけた。

【冠岳北岳】

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 稜線に出ると、冠岳北岳が見える。
 巨大な一枚岩の岩壁で、この姿は日向市のどこからで見える、シンボルタワーである。
 もっとも近くで見ると、樹々に岩壁が隠れて、かえって迫力がない。

【展望台より】

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 山頂近くの展望所から耳川の流れを一望することができる。
 耳川は黄緑かかった特殊な色の川で、上流くからずっとこんな色であり、たぶん源流の椎葉の山のなかにこの色のモトがあるんだろうな、と推測している。

【日の丸展望台より】

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 北岳を過ぎて、次は冠岳の名所「日の丸展望台」へ。
 ここには日ノ丸が翻っており、注意すれば麓からも旗を見ることができる。

【水場】

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 水場を過ぎて、吉ヶ原岳へと向かう。
 暑い日には水場があるとほんとうに助かる。

【展望台?】

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 吉ヶ原岳への途中に展望台があると地図に書いていたので、そこに寄ってみた。
 しかし藪と雑木でまったく展望は利かず、展望台であったのはそうとう昔のことと思われた。
 位置的には、樹々がなければ尾鈴山がよく見えるはず。

【二段の滝】

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 吉ヶ原岳を過ぎてからは下山ルートに入る。下山ルートは滝を持つ沢筋であり、本来なら登山道に使えるようなルートではないのだが、ロープ、鎖、梯子等よく整備されており、滝を間近に見ながら進むことができる。

【樋口の滝】

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 滝巡りコース中、一番の大物の滝が「樋口の滝」。
 立派な滝ではあるが、写真ではまったくその威容を伝えられないのが残念。

【登山案内図】

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 滝を堪能して元の登山口へと戻った。
 山を周回してこの案内図をみると、あまり正確ではないようだ。
 冠岳は常に人の手が入って、登山道が複雑に伸びていて、つまりは進化し続けていると思われる。
 標高はさしてないが、複雑な地形を持つ山であり、さらには気分次第でコースがいくらでも選べるわけで、長くつきあえるいい山だと思った。

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June 30, 2019

映画:ゴジラ キング・オブ・モンスターズ

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 日本の怪獣映画史上最も有名なコンテンツである「ゴジラ」を、ハリウッドが巨額の費用をかけてリメイクしたゴジラ実写版その3。
 20年前のエメリッヒ版の一作目は、ゴジラは「俊敏な巨大爬虫類」といった感じで、原作のゴジラの「荒ぶる神」と称すべき威厳も神秘性もまったくないベツモノであったけど、2作目のギャレス版ゴジラは原作の精神に戻り、ゴジラは「人間以上の存在」としてのオーラを放ち、映画全体としても良作であった、と思う。そのゴジラをそのままスライドして用いたのが本作。

 本作の原作は「三大怪獣 地球最大の決戦」で、東宝ゴジラシリーズで最も強力で凶悪なモンスター「キングギドラ」の登場する話である。キングギドラは造形も素晴らしく、他の怪獣がトカゲなり鳥なり昆虫なりのモトネタがあったのに対して、これはまったくのオリジナルであり、この映画で初めて世に出現した異様にして美しい、魅力あふれる怪獣であった。そのキングギドラが、着ぐるみ撮影でなく、最先端のCGによって大画面で登場するのだから、これは観ないと損でしょう。

 そういうわけで観たけれど、脚本ははっきりいってつまらなかった。
 こういった大災害モノでは、家族の物語をそれに並行させるのはハリウッド映画の常道であるが、それらはたいていは映画を面白くするのに役に立っていない。なにしろ向うの人達って、家族が危機に陥ると、世の中がどうなろうが、他人にいかなる迷惑をかけようが、家族を救うためのみ全力を尽くす、てのばっかりで、まあそれは人間の行動様式としては納得はできるものの、それをこれが正義だとばかり延々と見せられると、なんか鼻白んでしまう、というのが正直な感想である。
 この映画でも、怪獣の暴動により世界が危機に瀕する筋に、怪獣制御のキーとなる技術を持つ科学者家族の物語がからむのだが、それがまったくつまらない。

 科学者夫婦は前作でゴジラによって、息子を一人亡くしている。それが原因で家族はみな心に深い傷を受け、離れ離れになったのだが、そこから立ちなおるための妻の思考が極端である。
 彼女は息子が亡くなったのには何か理由があったと考える。そして、息子が亡くなったのは、それは怪獣に殺されたからで、つまりは怪獣は人を殺す存在なので、そのため息子は亡くなった。ではなぜ怪獣が人を殺すかといえば、それは怪獣が人間の上位にある生物であり、彼らは自分の意思で自由に人を殺すことができる存在だからだ。そして怪獣が人間を適度に殺すことによって、何が起きるかといえば、自然環境が改善する。つまり怪獣が適度に人間を間引くことによって、地球は環境汚染、戦争、異常気象を改善することができ、長い目ではそれは人間をもよい影響を与える。そうだ、息子は世界を良くするために亡くなったのだ、ではさらに怪獣を増やして世界をより良くしよう、そういう論理の進め方により、彼女は今世界で眠っている怪獣たちを解き放ち、人類の審判者、あるいは裁定者として、地上あらゆるところに跋扈させようとする。

 この怪獣を神聖化し、人間よりも上位の存在として崇める思想。
 向うのクジラ保護運動なんか見ていると、あきらかに彼らは人間よりもクジラを大切な存在と思い込んでいるので、西洋ではべつだん珍しい思想ではないようには思えるけど、クジラと違って怪獣は獰猛な生き物なので、彼女の行為によって20匹近くの怪獣が野に放たれると、世界は壊滅的ダメージを受けた。
 一人の女性の理性を失った思いこみにより、世界が危機に瀕するという、なんとも哀しくもやりきれない話である。でも、それでも、これで彼女の本望達成、めでたしめでたし、とかいうふうにはならず、その怪獣の大暴れにより彼女の残った一人の娘の命が危なくなると、彼女はそこで半狂乱になり、娘を救うことと、娘を襲っている怪獣を排除することに懸命に奔走することになる。
 怪獣に人類の命を捧げて当然とか言っていた人が、いざ自分の家族の命が危険にさらされると、前言撤回、全く逆の行動に出る。
 狂信者というのは、たとえ根本の思想が間違っていても、その行動に首尾一貫性があるのが本物の狂信者というものであって、ここで彼女は狂信者としての誇りも意義も失ってしまう。
 つまりは彼女の先ほどの思想とやらはただの言い訳みたいなもので、本当は「自分の息子だけが怪獣に殺されたのが腹が立つし、納得いかない。こうなりゃ、他の人達も怪獣に食われて、私と同じように不幸になれ」という考えで、怪獣を世に放ったということが露呈されてしまい、まったくみっともない。

 つまりはこの女性科学者はろくでもない人間なのだが、それは私のみの意見ではなく、彼女は映画内で、他の人物皆、家族や機関関係者、はては環境テロリストからも、お前はおかしい、お前はどうしようもないと非難されており、映画の脚本上からも、最初からどうしようもない愚かであり、魅力のかけらもない人物と設定されているわけで、演じる役者もさぞかし気がのらない役ではあったと思う。
 しかしながら彼女はこの映画では極めて重要な役割を持っている。
 前作で怪獣達はモナークという機関で厳重に管理されていると設定がなされているが、怪獣達が暴れるというテーマの本作では、その管理されている怪獣達を解放するには、こういう愚かな人物が必要不可欠であった。その理由のみで、彼女はこの映画に存在している、ということだったのだ。

 そんなこんなで、この科学者の物語にはイライラさせられたが、しかしキングギドラを始めとして、怪獣たちの造形はとても素晴らしかった。三つの首がそれぞれ独自に動き、かつ大きな翼をはばたくキングギドラの動画って、CG造るのはとても大変だと思うけど、じつに自然に、かつ雄大、雄渾に動きまくっていた。威厳と迫力にあふれるゴジラは前作同様の格好良さ。さらに驚いたのがモスラ。巨大な羽根から放たれる光をまとった姿は、神々しいまでに美しかった。

 これらの怪獣の姿、そしてバトルを映画館の大画面で観るだけでも、ああ、今の時代はこのようなものが観られるようになったのか、と昭和の東宝怪獣映画を観て育った者は感動してしまった。いい映画であった。

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 ゴジラ キング・オブ・モンスターズ 公式サイト

 

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June 23, 2019

オオヤマレンゲ(2)@英彦山

【九州自然歩道】

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 梅雨の時期なのに好天の日曜日、鳴子山に引き続き、オオヤマレンゲを見に英彦山へと。
 別所駐車場に着くと、登山日和だけあってほぼ満車状態。強引に数台とめるスペースはありそうだったが、本日は北岳始点の周回コースを予定していたため、素通りして次の駐車場へ。英彦山は別所から高住神社までの間に広大な駐車場がいくつもあるけれど、これってオーバースペックなのではといつも思う。おかげで便利ではあるが。駐車場からはすぐ九州自然歩道を使って、高住神社の登山口まで行く。杉林のなかの平坦な散歩道である。

【キャンプ場】

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 キャンプ場に出ると丘の緑が濃く、青空のもと輝いている。梅雨とは思えない初夏のような景色であるが、じっさいまだこの地域は梅雨入りしていない。

【登山道】

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 北岳への登山道は苔むした岩が続き、霊山らしい神秘的な雰囲気をまとっている。

【展望台】

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 途中で展望台に寄ってみた。
 この「展望台」、じつは切り立った一枚の岩壁であり、「展望板」とも称すべきもの。それゆえ高度感抜群であり、眼下に広がる風景もまた雄大。

【オオヤマレンゲ】

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 北岳への稜線の手前の「溶岩の壁」あたりに英彦山の名物であるオオヤマレンゲの群落がある。
 鳴子山ではまだ始まったばかりであったが、対照的に英彦山ではほぼ終わりかけ。枯れた花がいくつも樹にあるなか、それでもちょうど満開のオオヤマレンゲをいくつか見ることができたのはまだ幸運であった。
 北岳経由で英彦山に登って来る人はたいていこれが目当てなので、オオヤマレンゲの前ではたくさんの登山客が集い、写真を撮っていて、順番待ちの行列ができていた。

【ヒコサンヒメシャラ】

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 オオヤマレンゲの傍に、これも英彦山を代表する花ヒコサンヒメシャラが咲いていて、こちらのほうは蕾も多く、今からどんどん花が開いていくところであった。
 オオヤマレンゲには華やかさでは負けるものの、独特の愛嬌がある良い花である。
 三枚目のものは中岳山頂に咲いていたもの。さすが英彦山の名のついた樹であり、英彦山のあちこちに生えていた。普通のヒメシャラと違ってあまり目立たない樹なので、花の時期でないとなかなか気付かない。

【中岳へ】

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 北岳まで登ると、中岳、南岳は近い。

【南岳山頂】

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 中岳から南岳にかけてはエゴノキの白い花がちょうど盛りであって、登山道にもいくつもの花が散っていて、道を白く染めていた。

【大南神社】

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 南岳からは大南神社を通るコースで下山。そこそこ岩場があり、変化に富んだ道である。

【学問神社】

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 登山道から少し外れているが、学問神社にも寄ってみた。いろいろあやかりたいことがあったので。ここは御利益がありそうな名前の神社だけあって、たどり着くまでの道はけっこう険しく、ちょっとしたアドベンチャールートになっている。

【奉幣殿】

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 奉幣殿に着いて、だいたい登山は終了。
 本日もたくさんの花々を見ることが出来て、いい登山であった。

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June 22, 2019

オオヤマレンゲ(1)@鳴子山

 九州の山ではミヤマキリシマの季節が終わり、次に咲く花はオオヤマレンゲである。極めて限られた山域にのみ咲くミヤマキリシマと違い、オオヤマレンゲは色々な山域に生えていて、気分しだいで登る山を決めることになる。
 そして今年の6月は梅雨前線の北上が遅れていて、下旬になっても九州北部は梅雨入りしておらず、雨が降りそうにない大分~福岡の山を目指すことにした。

【沢水登山口】

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 まずは山頂近くにオオヤマレンゲの群落がある鳴子山に登ることにした。  鳴子山はどの登山口から登っても距離のある山で、ということはどこから登ってみいいということにもなるが、今回は自転車を用いて、赤川に車を止めてそれから沢水に自転車移動という沢水赤川周回コースで鳴子山に登ることにした。

【沢水キャンプ場】

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 沢水からの登山口は最初は草原のなかを行き、それから林のなかをトラバースして、くたみ分かれへ行く。

【鳴子山稜線】

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 くたみ分かれからの急登の尾根を登り、それから稜線へと出る。ここからは岩場が続くので、足元に注意しながら進んでいこう。

【オオヤマレンゲ蕾】

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 鳴子山を過ぎて、稜線を歩くとやがて登山道わきにオオヤマレンゲの樹々が現れる。ただしその樹には蕾は付いているものの、まだ咲いている花はほとんどなかった。

【オオヤマレンゲの樹】

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 満開のオオヤマレンゲを探して、登山道から離れ、山肌に下りて行くと花をつけている樹を見つけた。しかし咲いているところが高く、あまりいい写真にならない。他の場所を探そうといったん登山道に戻っているところで、やはりオオヤマレンゲ目当てに登って来た人に会い、「そっちはまだでしょう。鞍部のほうに下って、左側の斜面に行くと、いい花が咲いていましたよ」と教えてくれた。

【オオヤマレンゲ】

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 それでその場所に行き、ちょうどいい高さに咲いている花を数輪見つけることができた。
 オオヤマレンゲは白いドレスをまとったような華やかな姿なので、「森の貴婦人」と称されている。たしかに緑の季節、そのなかで鮮やかな白い花を咲かせたオオヤマレンゲは目立つし、気品あふれる、とても美しい花だ。まさに森の貴婦人。

【稲星山へ】

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 鳴子山からは稲星山経由で下山。稲星山の斜面にはまだミヤマキリシマがわずかに残っていた。
 九重の花のスターは一にミヤマキリシマ、二にオオヤマレンゲだけど、そのピークの時期が重ならないところがまた興味深い。

 

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June 16, 2019

大丸別荘@二日市温泉

【大丸別荘】

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 温泉王国九州において、福岡県は火山帯から外れているので、例外的に温泉の乏しい地であり、温泉掘削技術が発展するまでは、まともな温泉の出るのは二日市しかなかった。ただしその二日市は、万葉集の時代から記録が残る由緒する温泉地であり、そのためであろう、ここには一軒の有名な老舗旅館があり、福岡では(たぶん)唯一の高級旅館として全国から多くの客が通っている。
 今回大宰府を訪れたついで、そこに近き温泉宿である「大丸別荘」を訪れてみた。

【庭】

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 大丸別荘は幹線道路に面しているものの、高い塀が巡らされており、なかの具合は外からはよく分からない。なかに入ってみると、複雑なつくりの廊下を歩くうち、広大な庭が目に入る。それが3500坪もの敷地を使った回遊式日本庭園であって、樹々、石灯篭、池、橋、東屋等々が美術的に配置されており、二日市の町のなかに、このような贅沢な空間があることに驚きを覚えた。

【部屋】

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 大丸別荘は創業は江戸時代という老舗であり、それからいろいろと建て増しをして新旧混在の今の形になったのだが、今回泊まった部屋はそのなかで最も古い大正亭という建物のなかのもの。硝子の微妙なゆがみが、年代ものということを教えてくれる。
 部屋からは先ほど見た庭を見下ろすことができるが、この方向からの眺めもまた格別である。

【夕食】

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 夕食は会席料理。八寸、お造り、お椀、焼物、御飯。
 料理そのもの、あるいは素材に特筆すべきものはないけれど、どれもしっかりした技術で丁寧に造られた、高級旅館にふさわしい、安心感のある美味しい料理である。
 手際のよい和服姿の仲居さんの給仕で、風情ある部屋のなか、美しい庭を眺めながら食事をとっていると、高級旅館とは、すべてがそろった総合芸術みたいなものだなあということが実感できる。

【朝食】

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 朝食は小さな料理がたくさん並べられた楽しいもの。これもまたずいぶんと手間のかかるものと思われる。朝から食が進む進む。

【温泉】

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 温泉は大浴場と、それから大正亭宿泊客専用の貸し切り風呂を使ってみた。
 この貸し切り風呂、いわゆる家族風呂なのであるが、その広さにまず驚く。そしてこの浴槽は二つに仕切られていて、手前はぬるめなので、ゆったりと浸かっていることができる。
 温泉は当然源泉掛け流しで、泉質は柔らかめであり、かすかに硫黄の匂いがする。とてもいい肌触りの湯である。

 

 名旅館と知られる「大丸別荘」、初めて訪れたけど、建物、接遇、庭、温泉、料理、どれもが高水準のいい宿であった。また大宰府を訪れる機会があったら、ぜひとも泊まってみたいものだ。

 

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June 15, 2019

令和記念登山:四王寺山@大宰府

 5月に元号が新しくなったのでそれを記念した登山をしようしようと思いつつ、ミヤマキリシマのほうに気をとられているうちに一月が過ぎた。このままだらだらしていると暑くなって登山シーズンから外れてしまうので、さっさと計画を立てることにする。
 令和といえば、大宰府がその所縁の地。大宰府の登山といえば、普通は宝満山ということになるのだが、令和発祥のコアの地は、梅園の宴を催した大伴旅人の住宅があったとされる坂本八幡宮である。坂本八幡宮は四王寺山の登山口に当たるので、四王寺山を登ることにしてみた。こういうことがないと、他県の者はあまり登る機会もない山でもあるし。

【大宰府駅】

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 四王寺山、まずは大宰府駅から出発。
 天気予報では終日雨とのことであったが、やはり小雨が降っている。とりあえずは雨具を装着して行ってみよう。

【市街地】

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 坂本八幡宮までは市街地のなかを歩く。
 大宰府目当ての観光客が多いなか、ザックかついで傘もささずに歩く私の姿はけっこう違和感があったと思う。

【大宰府政庁跡】

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 かつては朝廷の出向機関であり、九州全体を管轄する権限を持ち「遠の朝廷」と呼ばれた大宰府も、今ではほとんど何も残っていなくて、ただの更地が広がる。この奥に見える山が四王寺山であるが、大半はガスのなかだ。

【坂本八幡宮】

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 今回の目的の一つである坂本八幡宮。
 新元号令和のおかげで、観光客の多く訪れる地となっていて、近くの駐車場には大型バスが何台も入って来た。当然、参拝の長い行列ができていた。
 この神社、じつは大友旅人を祀っているわけでも、創立に大伴旅人が関与しているわけでもないのだが、1300年も前に、この地で令和の典拠となる梅園の宴が開かれたので、それを偲ぶべく人々が集っているのである。

 さて、ここから登山が始まるのだが、雨は相変わらず降っている。標高100m以上は雲のなかで見晴らしは利きそうにない。雨のずっと降るなか、景色も楽しめない登山はやる気がでない。それで四王寺山の山4つを巡る全周回コースは諦めて、3つを巡る短縮コースにした。

【岩屋城跡】

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 最初のピークは岩屋城跡。戦国時代の大友氏と薩摩氏の壮絶な戦いで知られている。そういう重要な戦いの場になるだけあって、大宰府を見渡す交通の要所に位置する山なのだが、あいにくの天気で、大宰府の地はぼんやりとしか見えない。

【大原山】

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 親水公園を経由して、大原山へ。今回ではここが一番高い所で、標高354mである。四王寺山は最高が410mの低い山なので、雨が降っていてもたいしたことない山だろうと思っていたが、雲のなかに入ると、風は強くなるし、雨は横殴りに降ってくるしで、寒いわ痛いわで、けっこうひどい目にあってしまった。やはり山というものは、天気次第で容易に牙をむく。なめてはいけません。なめたつもりはなかったんだけど。

【一番札所】

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 四王寺山は名前の通り、宗教的な山でもあり、三十三ヶ所の札所があり、それぞれに石仏が祀られている。
 ここは一番札所であるが、滝のそばで、神秘的趣のある地であった。

【大宰府天満宮】

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 下山して、大宰府最大の名所である天満宮にお参り。
 ここも大行列であった。元々、受験の神様ということで参拝客の多い神社であったけど、令和効果でさらに人が増したようだ。
 しかし、令和効果で四王寺山も登山客が増えそうなものだが、本日はあいにくの天気のせいか、他に登山者は誰も見ることはなかった。

【二日市温泉】

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 登山後は近くの二日市温泉へ。二日市温泉は古い歴史を持つ温泉であり、万葉集にこの地を詠んだ大友旅人の和歌が残っている。
 そして、四王寺山で寒い目にあった私にとって、ここの微かに硫黄漂う、保温力のある温泉は、極上ものの気持ちよさであった。

 

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June 08, 2019

多摩川ランニング & てんぷら近藤@銀座

 金曜、「かわむら」で遅い夕食を食べたのち、土曜日の朝を迎える。
 ひさしぶりに肉をたらふく食べたので、やはり胃がもたれていて、どうにもすっきりしない。そして本日の夕方には、有名な天麩羅店「てんぷら近藤」に予約を入れていた。
 これはなにか運動しないと、夕食が入らない、ということで軽くランニングをすることにした。
 東京も梅雨は突入していたが、予報では曇り時々雨とのことで、ランニングには支障はないようである。そしてランニングに適したところをネットで検索すると、多摩川沿いの10kmを走るコースが信号もほとんどなく道も変化に富んでいて面白そうなので、行ってみることにした。

【矢口渡駅】

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 東京とは交通の便利のよいところであり、たいていの所は電車を乗り継いで行けば到着できる。
 多摩川ランニングのスタート&ゴールは、この矢口渡駅である。

【多摩川】

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 多摩川のコースは河川敷や土手を走ることが出来る。土手のほうが眺めが良いので、おもに土手を走ってみた。

【川崎市】

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 多摩川の向うは川崎市である。高層ビルディングが立ち並び、けっこうな都会だ。川崎市、行ったことはないけど、たいしたものであったのだ。

【多摩川大橋】

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 丸子橋で折り返して、そして多摩川大橋を渡って駅まで戻った。合計で約13kmのランニングであった。気温は高めだったけど、川沿いにはいい風が吹いていて、快適に走ることができた。

 

【てんぷら近藤】

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 走ったおかげでいい塩梅に腹もすき、夕方「てんぷら近藤」へ。
 この店は、野菜の天麩羅で有名であり、たしかにどれもいい素材を使って、その甘味旨味を高めるよう揚げていて、なるほどこれはたしかに評判になるわけだと思った。上の天麩羅は「甘甘娘」という、それだけでたいへん甘いトウモロコシを、天麩羅にすることによりさらに甘みを増している。
 そして近藤の名物は下の写真の「さつま芋の天麩羅」。さつま芋の甘さを生かす料理法といえば、まずは石焼き芋であるが、天麩羅でもそれができるはずとの考えで、手間暇かけて揚げ物にしあげたもの。たしかに甘みたっぷりであるが、それならべつに石焼き芋でもいいのでは、と思わぬこともない。

 てんぷら近藤は広い店で、カウンターに20人以上の客が並んでいるけど、高齢の店主は一手に揚げるのを引き受け、お弟子さんたちの指揮も行い、店全体を〆ている。まさに職人芸の極みであり、その姿を見ているだけでも、こちらの気も引き締まってきた。

 

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June 07, 2019

かわむら ステーキ店@銀座

【かわむら】

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 銀座に「かわむら」という有名なステーキ店があり、そこは日本で一番美味しいステーキを出すが、値段もそれ相当にとても高い、ということでも知られている。
 私はステーキにはさして興味はないので、そういう店があるんだなあ、程度の知識しか持ってなかったけど、ときおりSNSに載っている同店のコンソメスープの写真はとても美しく、そしてその味も「ステーキレベルにとても美味しい」との評判であり、一度は飲んでみたいものだと思うようになった。
 というわけで、「かわむら」常連氏の定期的な参加者募集の連絡時に手を挙げて、銀座まで行ってみることにしてみた。

 この店は8名のカウンター席を2~3回転で回す形式で、はっきりした時間開始は決まってなく、先の客がはけたのち、代表者に電話連絡が来るようになっている。それでとりあえず、店の前あたりでうろうろしていると、今回の参加者5名が集うことになった。5名のうち、私を含め3名が初参加である。うち一名が「食べログ見ると、最近この店10万越えは当たり前みたいなこと書いていてこわいんですが」と言うと、常連氏は「え、そうなんですか。いつもはコース一通りで5万くらいです。でも今回は〆の料理にスペシャルメニューを追加しているのでけっこういくかも」とか、やっぱりこわいことを答えている。

 と雑談をしているうち、前の客の食事が終わったので、我々がぞろぞろと入って行った。
 この店はステーキ店なので、メインは当然ステーキであり、好みの重量を聞かれる。男性は150g、女性は100gということでまとまり、肉が客の見えるところで焼かれる。そのステーキが焼き上がるまでに、前菜、スープ、サラダが出て来る、というのが通常の流れだそうだ。

【コンソメスープ】

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 タルタルステーキの前菜が出たのち、これがお目当てのコンソメスープ。
 とにかく美しい。澄み切った、淡い黄金色のスープ。
 これが前に出されたときから尋常でない豊かな香りが漂うが、それを口に入れれば、いっさいの雑味のない、肉の旨さのみを抽出したような、エレガントにして豊潤な味が口いっぱいに広がる。
 絶品としかいいようのない、本物のコンソメスープ。これつくるための手間暇考えると、自分って今とんでもない贅沢しているんだなあ、と思ってしまう。

【野菜サラダ】

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 野菜サラダはどれも新鮮でシャキっとしたもの。
 まあ、普通に美味しい。

【ステーキ】

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 ステーキはずっと焼いているところが見られるが、べつだん何かの名人芸があるようにも見えず、たーだ普通に焼いているように見えていた。そしてサラダが終わると、メインのステーキ登場。
 これが実に見事な焼き方。外はカリッと焼かれているけど、中は均等に火がゆるく通っていて、旨味が見事に閉じ込められている、極上のミディアムレア。肉の食感と温度感は官能的といってよい滑らかさで、その焼き方は食べてみると、まさに名人芸。
 そして肝心の肉そのものは当然超一級のものなので、この焼き方により、まさに最高のステーキとなる。世評の高いのもよく分かる。
 ………よくは分かったけど、ステーキって一枚が均質な料理なので、一切れ目で感動、二切れ食って感動確認、三切れ目でこれも同じ味だな、とここで既に飽きてしまい、半分くらい食べたとことでどうでもよくなってしまった。ステーキって、寿司で例えると中トロ握りを10貫くらい連続で食べさせるようなものなので、料理としてはいろいろ無理があると個人的には思う。
 この店は余ったステーキ肉はサンドイッチにして持ち帰りできるサービスがあるとのことなのでそれにしようかとも思ったけど、周りの者をみると、憑かれたように一心不乱に食べていて、あっという間に平らげてしまったので、こっちも頑張らないといけない気になり、あわてて食べるのを再開し、なんとか完食。疲れた。

【カツカレー】

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 メインのステーキのあとは〆の食事となる。通常は、牛丼、カレー、炒飯等から選ぶようになっているそうだが、そういうのばかり食べていた常連氏に対して、店主が「じつはカツカレーが自慢の品なのです」と言ったそうで、常連氏は今回はスペシャルメニューとしてカツカレーを頼んだそうだ。
 それで出て来たカツカレー。
 カツカレーって、カツとカレーというどちらも御飯の供として主役を張れる食材をごっちゃにしているカオスな料理であり、少々の下品さが必要とは思うのだけど、この店のカツカレーはそういうものとは違っていた。超一級のヒレ肉を使ったビーフカツ、それはそのまま食べてとても美味いのであるが、その美味さを邪魔しないよう控えめのスパイシーさと辛さをもった上品なカレーを添えた、ビーフカツ主役のカツカレーであって、正当的(?)カツカレーからすると少々邪道ではあるが、しかしこれはこれでなかなかいけるのであった。

 

 前菜、ステーキ、カツカレーと、三品肉料理を食べたことになるが、とにかくその肉の質の良さ、そして調理技術の高さに感心した。さすが日本一と称されるステーキ店である。肉料理、ステーキが好きな人にとっては、聖地的存在になるのもじゅうぶん納得である。

 

 料理とともに、この店で有名な会計は、さてどうであったろうということになるが、この店で出す肉のレベルと、銀座の一等地という条件からすると、いたって常識的、というよりかえってお得系、リーゾナブルな値段であった。まあ、だからこそ予約の取れない超人気店になっているんだろうな。
 ところで、今回のスペシャルメニューのカツカレー、これは一皿1万5千円であった。肉の原価からすると、そういうところでしょうねとしか言いようもないのであるが、それでも「カツカレー」としては規格外の値段である。カツカレーに詳しい常連氏も、「人生で最高額のカツカレーであった」と言っていたので、ここはさすが「かわむら」とは言えるかもしれない。

 そういうわけで、いろいろと話のネタになった「かわむら」初訪問であった。美味しいし、楽しいし、名店であるとは思うけど、まあ一回経験すればもういいか。

 

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June 01, 2019

壁湯洞窟温泉 福元屋@九重九湯

【福元屋】

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 登山でミヤマキリシマを堪能したあとは、九重の麓にある温泉旅館「福元屋」へ。
 この宿、洞窟を穿った川沿いの露天風呂で全国的に有名な宿である。「日本秘湯を守る会」にも選定されており、たしかに川に臨む一軒宿の姿は秘湯の雰囲気たっぷりだ。

【福元屋】

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 福元屋は老舗旅館で、元々は明治まで遡る歴史を持つ。その時代の建物を改修、改築しながら維持しており、全体はけっこう複雑な形になっている。

【部屋】

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 部屋は町田川に面しており、今の時期は、夜になると涼やかな蛙の鳴き声をバックグラウンドミュージックに、蛍が飛び交う姿を見ることができた。

【露天風呂@「じゃらん」より】

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 福元屋自慢の「天然洞窟温泉」。
 およそ300年ほど前に川に沿って狩りをしていた猟師が、岩壁から温泉が湧出していることに気付いて、そこへの道を開拓して温泉を開いた、という云われを持つ温泉。
 その後、温泉の湧いているところに洞窟を彫り、立派な湯船となっている。当然、湯は足元からどんどんと上がってきて、それが豪快に川に流れて行く、本当の源泉掛け流しの湯。その風情と、湯そのものだけでも極上級の温泉であるけど、初夏の時期には目の前の川に蛍が明滅しながら飛び、その光のショーを湯につかりながら見ることができる。私もそれを楽しむことができた。

【夕食】

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 コンニャク刺身、馬刺し、筍白和え、山菜茶碗蒸し、鳥と豆腐の牛蒡煮、蕎麦がき餡かけ、豊後牛溶岩焼、鮎の塩焼き、山菜天麩羅、等々の地元でとれた素材を家庭料理風に調理した、素朴ながらそれぞれ特徴ある、「福元屋」の料理となっている。
 温泉とともにこの料理のファンになって常連になっている客も多いとの話もうなずける美味しさである。

【朝食】

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 朝食も夕食同様に地元の食材を用いた素朴なもの。
 どれも良いけど、特筆すべきは毎日精米して炊いている米の美味しさ。米には特にこだわりある宿というだけあって、いくらでもお代りしたくる絶品の御飯であった。

 

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ミヤマキリシマ本番:立中山~北大船~平治岳

 6月といえばミヤマキリシマの季節。
 先週の偵察登山で、6月最初の週末は立中山と平治岳が見頃であると当たりを付けていたので、本番の本日はその二つの峰を訪れる計画とする。となると、長者原登山口から坊がつるを経て、鉾立峠から立中山、そこから段原に登り、北大船の稜線経由で平治岳に登り返して長者原に戻る、というコースが考えられる。長者原から立中山までは7kmほどのだらだらした高低差の少ない道を行くことになり、あんまり気が乗らないけど、この時期限定のミヤマキリシマ特別コースということで無理に納得し、出発。

【坊がつる】

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 明日が山開きなので、法華院のテン場は満室状態。
 奥に平治岳が見えるけど、大戸越から山頂にかけてはいい染まり具合である。

【鉾立峠】

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 九重の交通の要所鉾立峠。くたみ別れ側からは時々来るけど、長者原からは初めて来た。

【立中山】

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 鉾立峠から立中山へ。
 ミヤマキリシマはほぼ満開。ピンクに染まったバンドが山頂まで続いている。

【立中山山頂】

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 ミヤマキリシマの名所、立中山山頂。ピンクと紫紅色に染まって、夢幻的な光景。

【段原】

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 新避難小屋建設中の段原。
 北大船方向の稜線も、そろそろミヤマキリシマが咲き始めている。

【北大船稜線】

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 旬の時期は、ピンク色の道になる北大船の稜線も、今はまだ緑とピンクの斑な道。
 あと一週間後くらいが見頃のようである。

【平治岳南斜面】

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 北大船稜線の端まで来ると、平治岳の南斜面が見える。
 ここはほぼ満開のようで、見事にピンクに染まっている。まるで山頂の窪みにたまったピンクの色が、大きな滝となっていっせいに流れ落ちているような、ここでしか見られない豪華な花の饗宴を見ることが出来る。

【大戸越】

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 大戸越にいったん下り、それからこのピンクの斜面を登って行く。

【平治岳南峰】

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 今の時期、いつもは人で大混雑の平治岳だけど、今回は来た時間が遅かったので、珍しく人の少ない平治岳となっていた。
南峰まで来ると、九重を代表する絶景が待っていた。
 山麓を染め上げるミヤマキリシマ、その奥に三俣山と坊がつる。
 岩に立つ人の姿がいい点景となって、この時期にしか存在しない、自然の美を哀しいまでに引き立てている。

 この絶景で、今回のミヤマキリシマ巡りは終了。
 立中山から平治岳に到るこのルートは、本日のコンディションでは最良のミヤマキリシマルートだったであろう。終わってみれば、我ながら会心の山行であった。

【坊がつる】

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 坊がつるに下山すると、色とりどりのテントの花が咲き誇っている。
 明日は久住山での山開きで、本日は最も坊がつるが人で混雑する日であり、夜はさぞ賑やかな宴が繰り広げられることだろう。

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May 26, 2019

ミヤマキリシマ偵察登山(2):赤川登山口から久住周回

 土曜日に引き続き、日曜日もミヤマキリシマ開花情報を偵察に赤川から九重に登る予定であった。
 しかし、天気予報では当日は天気は良いのだけど、5月にしては記録的な暑さとなるので、熱中症対策が必要とのことである。一挙に山に登る気が失われてしまったが、よく考えると九重は風の住処みたいなところであり、樹木帯さえ抜けてしまえば、たいてい風が吹いているので、体感温度はそんなに上がらないだろう、ということに気付き、登山を決定。そしてもし条件が悪くて、風が吹いていなかったら、扇ヶ鼻まで登って、そのあとはさっさと撤退する予定とした。

【扇ヶ鼻】

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 赤川登山口から、九重のミヤマキリシマの名所扇ヶ鼻を目指した。
 天気予報の通り、最初のほうの林のなかはやはり暑かったけど、灌木帯になると風が吹き抜けており、涼しくなった。計画通りである。
 林を抜けると展望が利き、そうなると扇ヶ鼻は山麓にはミヤマキシリマの咲いているのが見え、開花は始まっているようである。

【ミヤマキリシマ】

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 標高1300Mくらいからミヤマキシリマの咲いている姿を見ることができた。
 花の咲き方については標高と日当たりで決まるので、やはりこの南面くらいが今の時期は花が多い。

【ミヤマキリシマ】

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 標高が上がるにつれて、花の咲き加減も少なめになる。

【扇ヶ鼻】

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 扇ヶ鼻に着くと、旬の時期は山頂一面が紫紅色に染まるのに、まったく花は咲いていず、旬は再来週くらいに思われた。
 そして星生山方面を見ても、同様に花は咲いていない。
 ただし、稜線に出ると、風がさらに強くなり、より快適に歩けるようになったので、赤川起点の周回ルートで進むことにする。

【星生山へ】

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 星生山へ登っていると、日本語と英語がやたら流暢な国際人集団が登っていた。山頂に着いて、どういうグループなのか尋ねてみたら、別府の国際大学の英語教師と生徒の一団であった。どおりで。
 九重に来るのが初めてとのことだったので、ミヤマキリシマがいかに貴重な種であるかについて説明しつつ、アメリカ人の人がいたので「ちょうど貴国のプレジデントが来日してますね」と言ったら、「ああ、すみませ~ん」と,本当にすまなそうに日本語で謝られてしまった。どうして?(笑)

【三俣山】

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 星生山からは天狗ヶ城へと登った。
 正面に見える三俣山は斜面にはミヤマキリシマの咲いているのが見えたが、山頂近傍はまだのようである。

【中岳から】

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 中岳から大船山方面を見ると、立中山がミヤマキリシマの花に染まっていて、旬を迎えているようだった。

【稲星山】

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 中岳から向いの稲星山に。
 この山は風がいつも強いけど、本日も強く、おかげて気持ち良い涼しさであった。

【久住山】

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 稲星山からは久住山頂経由で赤川へと下山。
 標高1400mあたりから、ミヤマキリシマが咲いていた。

 というわけでの二日続けてのミヤマキリシマ偵察行。
 咲き具合は例年通りといったところであった。ということはいつも通り、梅雨入りとともに、花がどんどん咲きだすということになり、ミヤマキリシマ観賞は天気次第ということになる。
 昨年は梅雨のなかうまい具合に週末だけ晴れる、ということが多かったので助かったけど、さて今年はいかに。

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May 25, 2019

旅館:水神之森@長湯温泉

 ミヤマキリシマ偵察を終えて下山してから、長湯温泉へと。
 長湯温泉は温泉大国日本でも珍しい、高濃度の炭酸泉の地として有名。炭酸というものは、温度が上がると気泡となって逃げてしまい、温かい湯のなかにあまり残らないのであるが、ここの温泉は元の濃度が高いため、温泉として使える熱さになっても十分に炭酸が残っている、貴重な温泉なのである。

【水神之森】

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 旅館「水神之森」は長湯温泉の旅館街とは離れた、町を見下ろす高台に位置しており、九重連山も一望でき、たいへん眺めが良い。
 東京在住の御夫婦が、地方における理想の温泉宿を造ろうと、いろいろな土地を探して、温泉、水、食材、眺め、その全てがそろっているこの地をようやく見つけた、というだけある。
 宿自体はハンドメイド的な、よく言えば心のこもった、悪く言えば素人っぽいつくりで、特に宿入り口近くにある正面の「きのこドーム」は、脱力系建物で、わたし的にはポイントが高い。

【温泉】

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 温泉は湯治場的雰囲気の濃厚に漂うレトロな造り。湯は当然源泉かけ流し。
 そして温泉は炭酸のとても濃い、温泉力漲る、という感じの、身体の芯まで温泉力が伝わって来る、個性的な湯である。

【夕食】

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 夕食は地元の食材を使い、けっこう手のこんだものが出て来る。質、量ともなかなかのものであった。
 食堂からは日が沈みゆく九重が正面に見え、雰囲気も大変良い。

【飼犬】

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 この宿はネットの予約のさい、「動物の苦手な人は御遠慮お願いします」との但し書きがあるので、犬や猫、鳥、その他大勢うろちょろしている宿を想像していたけど、-そういう時期もあったのだけど、今は代替わりで少なくなってしまっているそうで、犬はこの「白牡丹ちゃん」一匹だけであった。あとは自由行動ばかりであまり客の前に出てこなかった猫が三匹。
 家でもそうだけど、ペットのいるところって、場がなごむものであり、そしてこの宿も白牡丹ちゃんが気ままに闊歩しているので、なんとものんびりした、柔らかな雰囲気が満ちていて、心地よかった。

 

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ミヤマキリシマ偵察登山:平治岳~北大船

 5月下旬から6月中旬にかけてミヤマキリシマの季節である。山々が紫赤色に染め上がる風景は、この時期の九州の火山の風物詩であり、これほどきれいなものもそうあるものでない。
 5月最後の週末は好天だったので、さっそく九重へと出かけてみた。

【男池登山道】

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 男池登山口から登山開始。この登山道は自然林が多く残されており、光に照らされる新緑が鮮やかである。

【平治岳東尾根登山道】

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 東尾根ルートを使って、ダイレクトに平治岳山頂へと向かった。

【平治岳本峰山頂】

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 ひたすら尾根を登る単調な道を行き、山頂に到着。
 好天のおかげで眺めは良かったけど、ミヤマキリシマはせいぜい3分といったところであった。

【ミヤマキリシマ】

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 まだ花の時期には早かった平治岳であるが、なかにはよく咲いている株もあり、それはやはり美しい。

【平治岳南峰】

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 平治岳といえば、この風景。
 坊がつると三俣山を背景に、平治岳の山頂一帯のミヤマキリシマが、紫紅色に染まる姿が有名だけど、本日はこの程度。

【大戸越】

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 山頂からはいったん大戸越えへ。
 標高が1400mくらいの高さなので、ミヤマキリシマは5分といったところ。

【大船稜線】

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 平治岳山頂から見る大船山はまったくミヤマキリシマが咲いていなかったけど、大戸越からそのまま男池に戻るのも味気ないので、ついでに北大船まで行ってみることにした。
 そして行ってみたところで状況が変わるわけもなく、ミヤマキリシマは蕾以前の状態であった。

【段原】

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 北大船からは段原に何やら工事中の建築物が見えており、何だろうと思っていたが、着いてみるとそれは建設中の新避難小屋であった。
 前の避難小屋は3年前の熊本大地震で崩壊してしまったので、新たに造っている最中なのである。造っているのはいいとして、こんな風の通り道に造って大丈夫かいなとも思ってしまうが、まあ、プロが計画し建造しているのだから大丈夫んなんでしょうな。

【ソババッケ】

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 段原から風穴経由で、ソババッケを通り、元の登山口へ。
 ソババッケは相変わらず、複雑な植生をしていて、ここだけ変わった風情を持つ地であった。

 

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May 19, 2019

宮崎国際音楽祭の夕べ ラ・ボエーム&らんぷ亭

【舞台@宮崎日日新聞より】

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 連休をまたいで毎年行われている宮崎国際音楽祭。
 最終日は演奏会形式のオペラ上演が恒例になっており、今年も聞きに行くことにした。
 しかしその日は宮崎では前日から空の底が抜けたかのような大雨が止むことなく降り続き、列車は動くのだろうかと不安に思っていた。(雨は結局翌日まで、つまり3日連続で降り続き、月曜は多くの通勤難民を生むことになってしまった。5月のこれほどの大雨は初めて経験した)
 じっさいこの大雨で、宮崎の交通機関はどこも大混乱になっていたが、日豊本線は運よくほぼ定時運行が出来て、雨のなか無事に会場に着くことができた。

 今回の演目はプッチーニの「ラ・ボエーム」。
 19世紀のパリを舞台に、若い芸術家たち(ボヘミアン)の、貧しいけれども、心に夢と大志を抱いて、逞しく、そして快活に生きていく姿を描いている。
 話の筋も、また曲の旋律も分かりやすく、幕開きとともにすんなりとオペラの世界に入っていける、良い作品である。
 ただ、若いときには何とも思わなかったけど、ああいう「青春」という、中年族には遥かに過ぎ去ったものを題材にしている作品って、今の年代になって見ると、なんだかとても「痛く」感じる。
 もはやあの情熱や感性はもう自分にはないという自覚のかなしさや、自分の才能を信じて夢抱く若者の姿を見ているとどうしても想像してしまう彼らの末路とか、あるいは作品中いじられ苛められている中年族に対する同感とか同情とか、いろいろな要素が舞台を見ていてチクチクと心を刺し、どこかしこの場面で、「これは痛い」と思ってしまう。
 そういう意味では、久しぶりにずいぶんと心に響いたオペラであった。

 筋に関してはそういうふうに始終痛かったけど、音楽の演奏はじつに立派。メリハリ利いた活気あふれる広上淳一氏の指揮、福井敬氏のホールいっぱいに響く高音、世界的ソプラノ歌手中村恵里さんの情緒あふれる美声。とても素晴らしく、国際レベルの演奏が宮崎で経験できる幸せを感じた。

 演奏会ののちは宮崎市繁華街へと夕食へ。

【らんぷ亭にて】

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 この音楽祭のときは、必ず誰か知合いが来ているので、その誰かに便乗して食事に行くことにしており、今回はバーNのマスター御夫婦と、演奏会のほぼ全てに参加しているMさんとの四名で「らんぷ亭」へ。うまい具合に4名ぶんのみ空席があったのだ。
 写真はこの店のスペシャリテ「宮崎牛テールのシチュー」。その他、いろいろな料理を取り分けつつ、美味しいワインもいただく。

 良い音楽を聞いたあと、その余韻が残るなか、美味しい食事とワインを味わいつつ、談笑しながら楽しい時を過ごす。
 一年に一度の定番の実りある夕べであった。

 

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May 12, 2019

イタリア料理:Vena@京都市

 京都市でランチ。
 和、洋、いくらでも良い店のある京都であるが、以前から気になっていたイタリア料理店「Vena」へと。
 この店は東山の老舗創作系イタリアン、イルギオットーネ出身のシェフが開いた店である。京都のイタリアンではイルギオットーネ派とでも称すべく、そこで修業し独立したシェフの店が近年次々と開店しており、それぞれ個性ある良店と評判であるから。

【店内と坪庭】

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 店は京都御所の近く、本通りから少し離れた閑静な住宅地にある一軒家で、中は木をふんだんに使った格調ある形式。そして窓の外には、いかにも京都ならではの坪庭がある。

【前菜】

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 洋風茶碗蒸しみたいなものに、トマトのスープを載せたもの。ほどよい酸味で、食欲が進む。

【前菜盛合わせ】

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 店の力は前菜の盛合わせで直ちに分かると言われているけど、これは優れた店だとすぐに分かる、丁寧に造り上げた繊細な料理の数々。卵の殻には茸入りスクランブルエッグにキャビア、牛スジの熱々コロッケ、ズッキーニに生ハムとモッツアレラチーズ、カルパッチョなど。
 今回はワインのペアリングでオーダーしたけど、この皿は白ワイングラス一杯では足りず、赤をもう一つ頼んだ。

【パスタ】

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 アスパラと浅蜊のパスタ。
 程よい味付けと茹で加減。

【リゾット】

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 茸とタケノコのリゾット。それにパルマの生ハム。全体的に濃厚。

【肉料理】

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 仔牛のパンチェッタをパートフィルで包んで焼きあげたもの。それにマスタードを添えて。調和のとれた優雅な味わいの料理。

 料理全体はとても完成度の高いもので、隙のない料理という印象であった。たいへんレベルの高いイタリア料理店だと思う。
 ただ、本家のイルギオットーネは、京都ならではの和の技術を用いて、やりたい放題という感じの面白い料理が際限なく出て来る、いわゆる変化球系の店だったのに対して、この店は北イタリアのクラシカルな技術を用いて、地元の素材を仕上げる、直球勝負の店に思われた。これは以前行った、やはりイルギオットーネ出身のシェフの店「Cenci」でも同じような印象を私は感じた。
 そう言えば福岡のイタリアンも、老舗「サーラカリーナ」を本家として、そこから独立したシェフがいろいろと店を出しているけど、やはり同様の感じで、本家が一番クラシカルなイタリア料理から外れており、これは面白い現象に感じられた。

 

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May 11, 2019

お好み焼き慈恩弘国@京都市 

 京都市東寺の近くに、「慈恩弘国」というお好み焼店がある。
 この店、愛読している奇食の館というブログで10年ほど前に見つけ気になっていたのだけど、なかなか訪れる機会がなく過ぎていた。今回京都滞在の際、夜の食事はどこに行くとも決めていなかったので、この店にしてみた。

【慈恩弘国】

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 店の名前は、弘法大師ゆかりの東寺のすぐ近くにあることから付けられたと、建て前上はなってはいるが、暖簾の紋章を見てわかるように、ガンダムのジオン公国のパロディである。
 店の設定としては、敗れてなくなったはずのジオン公国が、じつは地球の京都に残党が逃れていて、細々とお好み焼きを売って国費を稼ぎながら、ジオン再興の日を企てている、ということらしい。関東の下町の安アパートの一室に事務所を構え、地球征服を企んでいるメトロン星人なみに、スケールが大きいのか、あるいは小さいのかよく分からん話ではあるが、そういうわけで、この店はじつは一独立国なのであり、だから店に入る行為は入店ではなく、入国となる。でもパスポートはいらない。

【店主】

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 入国すると、ジオンの軍服を着た店主がお迎え。
 いちおうランバラル大尉ということになっている。
 大尉は当然軍人が本職のため、お好み焼きを焼くのはじつは苦手だそうだ。

【メニュー】

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 お好み焼きは、メニュー見てわかるように、ザク焼、ドム焼、グフ焼等、アニメにちなんだ命名で、そのキャラクターに似せたお好み焼きが出てくる。
 スタンダードメニューはザク焼のようなので、それを頼んでみた。ついでにビールも頼んだけど、その名も「ギレン・ザ・ビール」であった。

【ザク焼】

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 というわけで、これがザク焼。なるほどザクの特徴であるモノアイが目立っている。そしてザクのイメージカラーである緑色のレタスが載っている。このザク焼にはもう一つ仕掛けがあり、このレタスをヘラで切るときに、「ザクっ」と音を立てるから、それもザク焼の所以だそうだ。

 このザク焼をアテにギレン・ザ・ビールを飲みながら、店主といろいろ歓談。
 雑談の内容は、もっぱらガンダムの話になるのであるが、この店は店主のキャラもぶっ飛んでいるけど、客も相当なもので、日本のみならず全世界からガンオタが訪ねて来るそうだ。まあ、ガンダムはワールドワイドな日本の文化コンテンツであるからして世界に名前が轟いているのは当たり前として、このようなマイナーな店がまた世界に知られている、というのもネット社会の面白いところだと思う。

 ところで、この国のお好み焼き、食べログの評価を見ると、ずらずらとひどいことが書かれており、それをあとで読んでみて、まったくその通りと私はけらけらと笑ってしまったのであるが、ただここのコンセプトはあくまでも第一はガンダムリスペクトであり、お好み焼きについてはそのついでのネタみたいなものなので、味うんぬんを言うのは野暮だとは思う。慈恩弘国がお好み焼きを国家収入の糧として考えたのは何故かというと、それには土地的な理由がある。

 慈恩弘国は京都駅周辺に位置するけど、この地はじつはお好み焼の名所みたいなところで、多くのお好み焼店が存在している。それはここらが以前九条葱の産地であり、今もそれを取り扱う店が多く、その九条葱はお好み焼きにとても合うので、それゆえ昔からお好み焼き屋が多かったそうだ。
 そして店主は長年京都に住みたがっていたが、予算の折り合いのつく、東寺近くのこの家を購入することができた。その家は、この地に多いお好み焼き店だったので、商売を始める際、そのまま営業するのが最も手っ取り早く、実際にその家をなんら改造することなく、お好み焼き店としてスタートすることとなったそうだ。
 だから、その購入した家がもしラーメン店だったら、慈恩弘国はラーメン店だったわけで、ザクラーメン、ドムラーメンなりがメニューに並んでいたであろう。

 慈恩弘国は店を構えて14年になるそうだ。ま、建国14年だな。慈恩弘国は、お好み焼き屋の激戦区で、14年間勝ち抜いてきたのである。当初は店主自身が、こういう一発芸みたいな店は早々に潰れると思っていたのだけど、ガンダムのファンが日本全国のみならず、世界各国からも訪れて来るので、ずっと現役でやってこれた、と感慨深く話していた。まったく、浜の真砂は尽きるとも、世にガンオタの種は尽きまじ、というわけですな。
 こういう店は、お好み焼そのものに対してのリピーターはたぶん居ないだろうけど、only one的な魅力を持っているので、これからもずっとこの地に在り続けるであろう。

【任命証】

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 慈恩弘国では、店を出るとき、もとい出国の際にポイント・カードとして、この名刺大の任命証が貰える。
 初訪の客は「二等兵」から始まり、来るたびに階級が上がって行くそうだ。「それでは、元帥目指して頑張ります」といちおう私は答えておいたけど、まあ、一回行ったからもういいか。

 ……………………………

 慈恩弘国 ホームページ

 

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徳山鮓@滋賀県余呉

【徳山鮓】

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 「徳山鮓」は琵琶湖の上にある小さな湖の余呉湖を見下ろす高台にある、発酵料理で全国的に有名な店である。
 ずいぶんと不便な所にあるのだが、それにはもちろん理由があり、自然豊かなこの地で獲れる川の幸、山の幸を専ら使っているゆえであり、この土地に店を建てる必要があったのだ。

【前菜盛合わせ】

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 前菜は季節の野菜、山菜、稚鮎、鹿のテリーヌなど。
 面白い形の器は、余呉湖の形を模したものである。

【造り】

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 造りは、鯉の刺身に、鮒鮓の卵をまぶしたもの。
 鯉はうまく処理できていて全く臭みはなく、歯ごたえもよい。鮒鮓の卵も濃厚な味で、鯉の淡泊な味をうまく支えている。

【山菜天麩羅】

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 山菜はもちろんこの地で採れたもの。コシアブラ、モミジガサ、コゴミ。
 山登りが趣味の者として、今の時期山のなかでは見慣れたというか、身飽きたようなものばかりだけど、極上の油と技術で揚げられたこれらの天麩羅は見事としかいいようのない出来栄え。

【ハム盛合わせ】

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 猪、鹿のハム。季節の野菜を添えて。

【熊鍋】

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 本日のメインは、熊肉に豪華にどっさりと花山椒を盛った熊鍋。
 花山椒の種類を変えたもので二種の鍋。
 花山椒の香りは鋭角的であるけど、熊肉もまたシャープなエッジの利いたものであり、互いの味がぶつかり合って引き立てているという感じの、鮮烈な印象を与える鍋であった。

 今では京料理では当たり前のように使われる花山椒だけど、それはこの店が走りだったそうだ。なぜなら余呉の山には花山椒がいくらでも獲れるため、それを豪勢に使うことが出来たから。今の時期はちょうどその時期なので、料理長は親子そろって毎日険しい山に入って、花山椒を採取しているとのこと。
 ただし、花山椒が高級食材として京料理に当たり前のように使われてしまうようになって、今では新しさを失ってしまったので、徳山鮓では花山椒を使った鍋は今シーズンで終了になるそうである。
 初めて訪れた徳山鮓であったが、ちょうど間にあってよかった。

【珍味三種】

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 これは熟鮓を使った、この店のスペシャリテ。鯖とチーズ、鮒鮓、鮒鮓サンド。
 どれも酸味とほのかな甘みをもった、上品で洗練されたものであった。
 鮒鮓は滋賀では郷土料理的なものであり、また家庭料理にも使われたりするのだが、これらの料理はそれらとは異なる、いわゆるプロの料理的なものであった。

【熊雑炊】

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 熊鍋は雑炊で〆ものとしてまた出て来る。
 熊の肉にはまったく獣臭さはなく、かえってあっさりとした脂と旨味が乗った出汁で、美味しい雑炊となっていた。

 初めて経験する徳山鮓、冬は雪に閉ざされる地にあることもあって、コテコテの保存食系の発酵食品みたいなものを想像していたのであるが、じつは全然違っていて、発酵を料理を旨くする技として自在に用い、素材の美味さを存分に引き出す、洗練された料理の数々を出す店であった。
 そういう意味では、こんな僻地でそんな料亭的料理を出さなくとも一瞬思ってしまたりもしたが、いやいや、この素材の料理を出すためにはこのロケーションではなければと、すぐ気付きもする。
 まったくこの店の料理はじつに魅力的であり、それゆえこんな不便な地にあっても、全国から客が来るわけである。

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登山:賤ヶ岳@滋賀県長浜市

 滋賀県の余呉にある「徳山鮓」という料理店での食事会の誘いがあり、発酵料理で全国的に有名な店であることから一度は行きたいと以前から思っていたので、参加を決めた。
 ただ滋賀県まで遥々と料理のためだけ行くのも勿体ないので、地図を広げて、その店の周辺に何か観光が出来る面白そうなものを調べると、あっさりと「賤ヶ岳」を見つけた。
 歴史好きなものなら知らぬものなき合戦場跡であり、余呉湖と琵琶湖の合間にあることから眺めの良い山でもある。
 登るとしたら余呉駅発となるが、湖を半周してそれから山に登って駅に戻ると3時間くらいの行程になる。余呉駅午前8時15分着の列車に乗ると、ちょうどよいのでそれを使ってみた。

【余呉駅】

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 京都駅から鈍行列車を乗り継ぎ、余呉駅に着。
 閑散としたところであったが、有人駅であった。余呉湖が観光名所であることから、それなりの需要はあるようだ。

【余呉湖と賤ヶ岳】

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 駅からまずは余呉湖湖畔をランニング。
 好天の下の静かな湖、それに向かいに賤ヶ岳。湖面には山々が映っている。余呉湖の別名「鏡湖」、そのものの姿である。
 そして登山口へは、3kmほど走って賤ヶ岳の麓まで行かねばならぬ。

【ブラックバス】

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 湖畔には釣客が多く、何が釣れるのだろうと思っていたら、ちょうどブラックバスの大物が釣り上がっているところであった。60cmもあるそうだ。あとはブルーギルが釣れているのも見た。
 このあとの食事会で、余呉湖は冬にはワカサギが釣れ、それが名物になっているということを聞いたのだけど、余呉湖のワカサギ、ずいぶん過酷な環境を生きているなあと同情してしまった。

【登山道】

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 賤ヶ岳は観光地でもあり、登山道はよく整備されていた。
 造成林の幹にはビニールテープが巻かれていたけど、不思議な風景。虫除けか鹿除けなのだろうか。

【琵琶湖】

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 賤ヶ岳山頂着。山頂は開けており、360度の風景が楽しめる。
 南方面には琵琶湖。あまりに広くて、端が見えなかった。

【余呉湖】

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 北は余呉湖。琵琶湖と比べると、ずいぶんと小さい。その分全体像がわかりやすい。
 今見渡している地において、かつて天下二分の大合戦が行われたのであり、合戦図と、実際の風景とを比べながら、歴史の跡を確かめた。

【サワオグルマ】

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 下山は東側の山稜の登山道を使った。
 賤ヶ岳では今の時期、鮮やかな黄色い花を咲かせるサワオグルマがちょうど旬とのことで、それを楽しみにしていたのだが、途中に群落があるはずだったのに、なぜか花の咲いているのはこの一株しか見つけられなかった。

【余呉の町】

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 山稜を辿って行き、途中で合戦の始まりとなった大岩山に寄って、それから下山。
 観音堂まで来ると、ほぼ登山も終了である。
 観音堂からは余呉の町が見える。こじんまりとした静かな町だ。

 2時間半で全行程を終え、駅にと戻った。
 食事前の腹ごなしのいい運動になった。

 ……………………………

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May 06, 2019

対馬の神社

 日本の神社は古来は神々の宿る地を信仰の対象として、それ全体を「神社」として敬っていたのだけど、時代が経るにつれて、神道の洗練化とともに、今ある鳥居、参道、拝殿、本殿を持つ、一般的な「神社」となっていった。
 対馬の神社も、一応は鳥居、参道、社殿を持つ形が多かったけど、しかしなお古来のアニミズムを伝える、その空間全体が厳かさを持つ、そういう神社がまだ残されていた。
 対馬を訪れたさい、対馬の代表的な神社をいくつか行ってみたので、それらを紹介。

【多久頭魂神社】

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 これは豆酘の多久頭魂神社。
 対馬特有の神である、多久頭神を祀る神社であり、のちに対馬の天道信仰と結びついて、近くに聳える竜良山を御神体とした遥拝所となっていた。だから初期には神殿を持たない神社であった。
 この神社一帯は自然が多く残されており、特に御神木である大樟が神秘的かつ荘厳な印象を与える。

【天道多久頭魂神社】

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 多久頭魂神社は上対馬にもあり、朝鮮半島に正対する国境の要衝の地にある。
 この神社は神殿を持たず、御神体はやはり奥に聳える天道山であり、その遥拝所となっている。
 そして対馬特有の石積の塔が独特の雰囲気を醸し出している。これは結界との仕切りを意味するもので、この先が神域となる。

【和多都美神社】

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 海に囲まれた島である対馬には、当然海の神様を祀る神社がいくつかあり、そのなかで最も有名なのが和多都美神社。海神である豊玉彦尊がこの地に宮殿を造ったことに由来する伝説を持つ。
 海に立つ二つの鳥居は、本殿への水路の道を示すようでもあり、この神社が竜宮城を連想させる、と言われている。

【海神神社】

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 先の和多都美神社と同じ流れを引く、豊玉姫命を祭神とする神社。長い石段を登って行き、ようやく神殿に到る。
 古い歴史を持つ神社であり、この一帯は聖域視されていて、自然林がよく保護されており、その自然と古い建物が相まって、荘厳な雰囲気を感じとることができる。
 この神社は、韓国人グループに仏像を盗まれ、それがいまだに返ってこないことでも有名になってしまった。

 

 対馬の神社には古代神道の雰囲気がまだ濃厚に残っているところが多く、そのため神社研究家、あるいは神社マニアがよく訪れるそうだ。あるマニアは毎年訪れて神社ばかり訪ね歩いているそうで、「このような土地は他にはない」と絶賛していたそうである。
 その話を聞いたときは、話半分に聞いていたが、いざ自分で訪れてみると、たしかにそれもよく分かる、そういう魅力のある神社ばかりであった。

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